古河電気工業(古河電工)は、台湾の回路用電解銅箔の子会社、台日古河銅箔(FCFT)の製造能力を増強することを決定した。

FCFTの外観

これは、回路基板のもととなる、樹脂フィルムと銅箔を張り合わせた銅張積層板(Copper Clad Laminate:CCL)の需要が、世界の電子産業市場の成長に合わせて、今後も年率10%で伸びていくことが予想され、中でも、全体の25%を占めるハロゲンフリーCCLや鉛フリーはんだ用CCLなどの環境対応CCLは、今後もその比率が増加することが見込まれているために決定されたもの。

CCLの需要予想

CCLの生産は約9割が中国や台湾を中心としたアジア地域で行われており、FCFTも1996年の設立以来、回路用の電解銅箔を製造し、環境対応CCLに適した回路用銅箔においては世界シェア約15%を有しているという。

投資金額は59億円で、2012年7月より順次立ち上げ、2013年1月には現行の月産800tより5割増となる月産1200tへと引き上げることが計画されている。

これにより、同社の電解銅箔の増産計画は、回路用が2013年には同社今市工場と合わせて月産1700t体制が構築されるほか、リチウムイオン電池用電解銅箔についても、すでに69億円を投じて台湾に月産500tの生産能力を持つ子会社の設立を進めており、今市工場の増強(月産550tから月産1000tへ)と合わせることで、こちらも2013年には月産1500t体制が構築されることとなり、電解銅箔全体としては現在の月産1850tから2013年には約7割増の月産3200t体制が構築されることとなる。