Lattice Semiconductorは、同社FPGA「LatticeECP3」ファミリをベースとした、量産化をすぐに行うことが可能となるHDビデオカメラ開発システム、「Lattice HDR-60ビデオカメラ開発キット」を発表した。

「Lattice HDR-60ビデオカメラ開発キット」

同キットには、同社パートナーのHelionによるIPベースのプラグアンドプレイ評価用ISP(Image Signal Processing)パイプラインがプリロードされており、購入後すぐに使用することが可能だ。同IPは60fpsで1080pの性能を発揮でき、2DノイズリダクションおよびHDR(High Dynamic Range)に対応している。

そのため市販のカメラハウジングに収まるフォームファクタで設計され、2つのセンサの同時使用が可能なため、セキュリティ、監視、交通管理、ビデオ会議および自動車用の高品位HDRビデオカメラを短時間で評価し、プロトタイピングすることが可能となると同社では説明している。

HDR-60のブロック図

また、同キットはFPGAとして「LatticeECP3-70」を使用するように設計されているが、1080p60HDRカメラ全体の実装に必要なISP IPパイプラインは、33K LUTの「LatticeECP3-35」でも対応可能だ。さらに、センサからHDMI/DVIディスプレイまでのHDR映像信号処理パイプラインが完全に統合されているほか、Aptina 720p HDRセンサも搭載されているほか、2011年第2四半期には1080p HDRセンサ搭載も予定されているという。

高速な自動露出、120dBを超えるシステムダイナミックレンジ、自動ホワイトバランス、2Dノイズリダクションなどの機能をFPGAからストリーミングモードで利用できるため、外付けフレームバッファが不要にできることから遅延が少なくなり、システムコストをさらに削減できるほか、オンボードDDR2メモリが搭載されているため、3Dノイズリダクション、複数のセンサからの映像合成、映像回転、歪み補正などの用途も可能となっている。

なお、同キットは399ドルで提供されており、購入ユーザーは回路図およびレイアウトファイルを無償で利用することも可能となっている。