Wolfson Microelectronicsは、HDオーディオソリューション向けに同社初のフルプログラマブルなオーディオDSP「WM0010」を発表した。また、併せてる包括的なターンキー・ノイズキャンセリング・ソリューション「WM2200」も発表した。

オーディオDSP「WM0010」のパッケージイメージ

ターンキー・ノイズキャンセリング・ソリューション「WM2200」のパッケージイメージ

WM0010は、TensilicaのHiFi DSPコアを組み込んでおり、同社の組み込みシステムソフトウェアおよびアルゴリズム、ソフトウェアとアプリケーション・プロセッサを連動させて動作するオーディオ・コプロセッサ。

フルプログラマブルで、同社独自の音声コーデック「SoundStage」製品群を含む既存のソリューションを活用することで、映画や音楽再生向けに3Dサウンドを実現できるほか、製品開発者は、自社のソフトウェアコンポーネントを集積することが可能となる。また、ホストプロセッサを8秒中7秒間「スリープ」状態にすることで、オーディオ再生時間の延長を実現することが可能なほか、最大32dBのノイズキャンセレーション機能を提供する同社のトランスミット(Tx)ノイズキャンセレーションおよびアコースティック・エコーキャンセレーション(AEC)、VoIPアプリケーション向けビームフォーミング・ソリューションを含む複雑なアルゴリズムを使用することで、音声通話品質の向上を実現する。

一方のWM2200は、強化された同社のAmbient Noise Cancellation(ANC)テクノロジ「myZone」、Txノイズキャンセレーション、AEC、ウインドノイズリジェクション、独自のレシーブパス(Rx)アクティブ・ノイズキャンセレーション・テクノロジなどを集積したもの。

これらの機能により、発信者と受信者双方が環境ノイズや背景ノイズに晒されている環境下においても聞き取りやすい音声通話を実現することが可能となる。

Txノイズキャンセレーションは、ハンドセットのマイクが拾う背景ノイズを最小化し、最大32dBのノイズ低減を実現しながら、通話発信者の音声だけを送信する。一方、Rxノイズキャンセレーションは、通話受信者側において外部ノイズを検出し、同振幅で位相の反転した信号を生成して背景ノイズを相殺することで、最大20dBのノイズ低減を実現するため、受信者は、発信者の音声だけが聞こえるようになる。

また、同製品は、狭帯域または広帯域の音声通話でも使用が可能で、アーキテクチャに問わず統合が可能となっているため、製品開発者は、既存の音声マイクを活用し、増加傾向にあるハンドセット内のマイクを利用することで設計に要する労力を抑えながら、高品質な電話会議に必要なビームフォーミングやビデオ録画などの機能を既存の電話に組みこむことができるようになる。

さらに、既存のANCソリューションと比較して、通話時間を25%以上延長できるようになるほか、受動部品数を20%削減することが可能なため、システム設計の簡素化とバッテリ寿命の延長が可能になると同社では説明している。