National Semiconductor(NS)は、FPGA、ASIC、マイクロプロセッサ向けに97%の効率を実現する大電流同期整流降圧型レギュレータ「LM21212-1」と「LM21215」を発表した。すでに放熱特性を向上させた20ピンのTSSOPパッケージで出荷が開始されており、1,000個一括購入時の価格はLM21212-1が3.85ドル、LM21215が4.15ドルとなっているほか、LM21212-1の可変スイッチング周波数版が2011年3月から出荷される予定となっている。
2製品ともに、同社の「PowerWise」製品ファミリにラインアップされるもので、ハイサイドおよびローサイドFETを内蔵しており、設計の簡素化とソリューション・サイズの低減を可能にする。LM21212-1は外部クロックに同期可能なスイッチング周波数と最大12Aの出力電流を提供し、LM21215は抵抗による設定が可能な電流制限機能を備えており、最大15Aの電流を継続的に出力可能だ。いずれも5V入力から3.3V出力への降圧時には97%超のピーク効率を、5V入力から1.2V出力への降圧時には92%超の効率を提供することが可能となっている。
LM21212-1は300kHzから1.5MHzの間で外付けオシレータに同期可能なスイッチング周波数を提供し、最大12Aの電流を継続的に出力できる。また、LM21215は500kHzの固定スイッチング周波数を提供し、15Aまで出力可能となっている。
2.95Vから5.5Vの入力電圧範囲での動作と0.6Vまでの低出力電圧の生成に最適としており、電圧モード制御ループは高いノイズ耐性と小さいデューティ・サイクルを提供することが可能であるほか、プログラム可能な過電流保護機能により、ユーザーによるピーク電流レベルの設定が可能。また、内部の過電圧保護回路によりシステムの信頼性を向上させることが可能で、高精度イネーブル・ピンと内蔵UVLO(電圧低下ロックアウト)はデバイスのターンオンにより正確な制御とシーケンシングを可能にする。
さらに、スタートアップ時のインラッシュ電流は内部が固定で外付けが可変のソフトスタート回路により制限される。2製品ともプリバイアス負荷スタートアップ機能を提供しており、内部ソフトスタート・ランプがフィードバック・ピンの電圧を超過するまで、シンク電流の発生を防止することができる。加えて、内蔵のパワー・グッド回路により、故障検出と電源シーケンシングも可能となっている。