ノートPCを盗まれたり紛失したりした場合、PCそのものより中にあるデータを失う方が損害が大きいことが多い。顧客情報が入っていたらと考えるとぞっとする。Inc.というサイトに「ノートPCを紛失したときに行うこと(原題: What to Do When You Lose Your Computer)」という記事があるので紹介しよう。
1. パスワードを変える
まずやるべきことは会社のネットワークに入るためのユーザ名とパスワードを変更することで、IT部門にも伝えることを忘れていけないという。
個人で利用するメールや銀行、証券会社などのWebサービスのアカウント情報も変更せよ、とある。これらのアカウント情報はブラウザのキャッシュやクッキーで探せるそうだが……個人的にはそんな面倒なことをやりたいとは思わない。そもそも1台しかPCを持っていない場合、これって不可能なのでは。
パスワードを暗号化して保存するKeePassや、ディスクを暗号化するTrueCryptというフリーソフトの使用の検討もお勧めされている。Windows XP以降ならディスク暗号化機能があるので、これは利用したい。
2. 遺失物取扱所に問い合わせる
まずはあきらめずに、紛失した可能性のある場所、たとえば喫茶店とか空港とかに問い合わせなさいということだ。空港では落とし物のPCの3分の1しか受け取りに来ないらしい。
盗難ならば警察に被害届を出して盗難証明書をもらう。保険を請求する際に必要とのことだが、海外旅行ならいざ知らず、保険に入っている人ってどのくらいいるのだろう? なお盗難に備えてPCのシリアルナンバーを事前に控えておくと良いそうだ。
3. 顧客に知らせる
顧客のサイトへ接続するための情報が入っているなら、それを顧客に知らせてシステムの設定を変えてもらうようにする(言い出しにくいかもしれないが、黙っているのは最悪の事態を引き起こしかねない)。
4. トラッキング機能を使う
盗難PCの追跡ソフトやサービスもいくつか存在する。たとえばMyLaptopGPSはGPSで追跡する。Adeona(OSS)、Laptop Cop、Undercover(Mac、iPhoneなどApple製品対象)、Prey(OSS、PCだけでなくMacや携帯もOK)などはPCの使用状況を記録しオンライン時に送信してくれる。中には内蔵Webカメラで使用者の写真を記録するものもある。
わざとパスワードなしのアカウントを作り、そこにこれらのソフトをインストールしておくとよいそうだ。つまり犯人に仕掛ける罠というわけだ。
5. オンラインバックアップサービスを使う
SaaS型のオンラインバックアップサービスは機器の故障時以外にも、ノートPCの盗難時にも役に立つものだ。 MozyPro(無料お試し版もあり)、Carbonite Pro(日本ではBBソフトサービスが提供していたが、2/17で新規受付を終了)、i365 EVaultが小規模企業におすすめだそうだ。日本でもマカフィーなど数多くのベンダがサービスを提供している。
以上、事前の対策としてできることは4、5あたりになる。重要データをPCで持ち歩くことが多い人は検討してみることをお勧めしたい。