英CSRとTaiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)は、TSMCの90nm組み込みフラッシュプロセス・テクノロジIPおよびRF CMOSプロセスとCSRの次世代ワイヤレス製品における協業を発表した。
90nm組み込みフラッシュプロセスIPは、0.18μmプロセスIPに比べ、2倍の処理速度を実現しており、CSRでは、同プロセスをベースにした独自のコネクティビティIP ブロックの有効性を確認し、同社の次世代のコンシューマ・ワイヤレス・オーディオ・プラットフォーム「CSR8600」に組み込んだという。
CSR8600プラットフォームは、複数の高効率な高周波スイッチング電源、低ドロップアウト・レギュレータ、USB充電、瞬時電源オンおよび高速充電に対応した新しいバッテリ・チャ―ジャ・アーキテクチャを集約しているほか、外部シリアル・フラッシュおよびROM または内部フラッシュメモリ用に柔軟なメモリ・アーキテクチャを備えたオーディオ・プロセッシング・エンジンを搭載。このエンジンにより、オーディオ品質の向上のためのさまざまなオーディオ・アルゴリズムの開発、実装をサポートするプラットフォームが提供されることとなる。これらのアルゴリズムには、正確なリップシンクを確保しながら、Bluetoothコネクティビティ経由でワイヤレススピーカまたはヘッドホンにステレオオーディオを提供するCSRの低遅延オーディオテクノロジ「aptX Hifi」、およびアコ―スティックエコーとノイズキャンセレーション用「Clear Voice Capture(CVC)」テクノロジが含まれていることから、高い品質のスピーカホン機能を実現できるようになると同社では説明している。
すでに同プラットフォームをベースとした最初の製品は、主要カスタマに対してサンプル出荷中であり、2011年半ばには量産される予定としている。
さらに、同社は内蔵型コネクティビティソフトウェア「CSR Synergy for Android」がBluetooth low energy(v4.0)に完全対応したことも発表している。
同ソフトは、最新のAndroid 2.3プラットフォーム(開発コード名:Gingerbread)向けに包括的なプラグアンドプレイ・コネクティビティ・パッケージで提供され、Bluetooth、FM、Wi-Fi、GPSをサポートしており、下位の転送ドライバ、コネクティビティスタック、Android用のUIなど開発に必要なすべての要素を提供しているという。
なお、同社は、現在プレビューされている「Android 3.0」(開発コード名:Honeycomb)を含むAndroidプラットフォームへの更新のサポートにも注力しており、Bluetooth low energyのメリットをすべてのAndroidユーザに提供することを目指すとしており、Bluetooth low energy製品を搭載したAndroidデバイスは、2011年末には購入できるようになるものと予測している。