STMicroelectronicsは、携帯型ナビゲーション機器(PND)、車載用ナビゲーションおよびテレマティクス分野向けに、次世代の1チップ測位用IC「Teseo II(STA8088EX)」を発表した。すでに一部顧客向けにサンプル提供中で、量産は2011年第3四半期に開始される予定。量産時の単価は、50万個購入時で約6ドルとしている。
同製品は、GPSのほか、欧州の衛星測位システム「Galileo」、ロシアの衛星測位システム「GLONASS」および日本の準天頂衛星を含む複数の衛星測位システムからの信号を受信できるSoC。
これらすべての主要な衛星測位システムより位置・速度・時刻データを取得できるため、都市部のビル群など衛星見通し率が悪い条件下におけるユーザの位置精度とナビゲーション性能を改善することが可能となる。
また、厳しい信号条件下で測位デバイスの立ち上り特性を向上させる同社独自の「Self-Trained Assisted GPS」技術を活用することで、短い初期位置算出時間(Time To First Fix:TTFF)を実現している。
さらに、車載用製品特有の厳しい要件をサポートするように設計されたオートモーティブ・グレード対応品で構成されており、車載用IC向けストレス試験規格「AEC-Q100」に準拠し、不良率0ppmを目標とする同社の車載用製品生産手法が採用されている。
プロセッサコアにはARM9コアを搭載しているほか、コスト効率を向上させるために、独自のオープン・プラットフォーム・アプローチとして各種ペリフェラルであるUSB 2.0、CAN、A/Dコンバータ、I2C、MSP(Multi-channel Serial Port)、UART、および汎用I/Oが提供されている。