Broadcomは、GPS衛星に加えて、ロシアが運用する衛星測位システム「GLONASS」を同時にサポートするSoC「BCM47511」および「BCM2076」を発表した。
GLONASSは、米国のGPSシステムに相当するロシアの衛星測位システム。
BCM47511は次世代のスタンドアロン型GPS SoCソリューションで、GLONASS機能に加えて、従来のGPS SoCとのピン互換を維持した製品となっている。また、BCM2076は、GPSとGLONASSへのサポートのほか、BluetoothやFMチューナー機能を有するコンボチップとなっており、GPSにGLONASSのサポートを追加したことで、既存のGPS衛星30基に加え、新たに21基、将来的には24基のGLONASS衛星を利用できるようになり、ナビゲーションのための衛星数がほぼ2倍に増加することとなる。
日本でも2010年に準天頂衛星初号機「みちびき」を打ち上げたが、都市部では多くのGPS衛星通信が建物によって遮断されるため、GLONASSシステムが提供する21基の衛星を追加することで、GPS受信機の位置情報の精度を向上させることが可能となる。
BCM47511のGPSコアは、ホストシステム上の処理機能をGPSチップとCPUで分担するホストベースのシステムアーキテクチャを採用することで、システムコストを削減するとともに、ホスト上のGPS/GLONASSナビゲーションソフトウェア・アルゴリズムのカスタマイズや最適化を可能としている。
また、受信機の処理タスクは、コンピュータ動作の大部分をBCM47511が実行するように振り分けるが、キャリアやプラットフォーム特有の要件による影響を受ける最終的な計算の実行は、ホストソフトウェアに委ねられるため、ホストCPU上での処理要求が最小限に抑えられ、リアルタイムの要求が課せられることはない。
一方のBCM2076は、GPSおよびGLONASSへのデュアルコンステレーション・サポートはもちろんのこと、サポート対象の衛星だけでなく、SBAS(静止衛星型衛星測位補強システム)およびQZSS(準天頂衛星システム)などの支援衛星もサポートしている。
内蔵しているBluetoothコアは、Bluetooth 4.0に準拠している。また、SmartAudio技術も内蔵しており、パケットロス保障(PLC)およびワイドバンドスピーチをサポートすることで音声品質の向上を実現している。