Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは、ガスクロマトグラフ用ヘッドスペースサンプラ「Agilent 7697A ヘッドスペースサンプラ」を発表した。
同社のオートサンプラ(ALS)技術を元にした同製品は、液体や固体試料に含まれる揮発性化合物を、分解または損失することなく、ガスクロマトグラフに導入するための前処理装置。
同製品を用いることで、さまざまな状態のマトリックス(夾雑物)から、揮発性化合物を直接ガスクロマトグラフやガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)に導入することが可能となる。同手法は、パージ&トラップなどの他の注入手法と比べると簡単で、標準的な液体注入よりも機器を清浄に保つことができると同社では説明している。
対応アプリケーションは以下のとおり。
- 医薬品の品質保証および品質管理
- 水に含まれる揮発性物質の同定などの環境分析
- 血中のアルコールや揮発性物質の検出などの法医学分析
- 香味料や香料のプロファイリング
- ビールなどの飲料に含まれる揮発性物質の検出などの食品安全性分析
また、同製品には、111バイアルに対応するハイエンドモデルと、12バイアルに対応するミッドレンジモデルの2種類が用意されており、一貫したサンプリングを可能にするニューマティックコントロールや自動校正およびバイアルリークチェックのほか、厳密な確認が求められるサンプルに対応するバーコードリーダを搭載している。
なお、環境、製薬、化学、電子材料、法医学などにおける揮発性化合物測定向けへの販売を計画しており、販売開始は2011年4月1日を、出荷開始は2011年5月中旬をそれぞれ予定している。