STMicroelectronicsは、ST-Ericssonと共同で新たなインタフェース規格「Mobility DisplayPort(MYDP)」を開発したことを発表した。
同規格はDisplayPortのデジタル・プロトコル規格と100%の互換性を有しており、タブレットPCやスマートフォン、携帯型ゲーム機などのモバイル・コンシューマ製品に一般的に使用される標準コネクタで、これら携帯型機器とフルHD(1080p)TVやモニタ間で1080p/60Hzのオーディオ・ビデオ(A/V)ストリーミングを実現することができるほか、A/Vストリーミングと同時に携帯型機器のバッテリ充電も実現するもの。
MYDPは、DisplayPortと異なり、スペースが限られたモバイル機器や携帯型装置に特化して設計されているため、データ交換、A/V出力ならびにその他A/Vアクセサリへの接続を1個のコネクタで行うことができるようになり、結果として携帯型機器の接続機能に要する実装面積を減らすことが可能となる。
また、TVやオーディオ・システムに直接接続して非圧縮HDビデオ信号(最大1080p/60Hz)やオーディオ信号(最大7.1チャネル:19万2,000Sps)を伝送するためのコストも低減することが可能になるとSTMicroでは説明している。
具体的には、オーディオおよびビデオ・ストリームを1個の差動ペア(レーン)にマッピングし、サイドバンド・チャネル信号(AUX_HPD)が、DisplayPortのサイドバンド・チャネル信号を伝送するため、AUX CH差動ペア(AUX CH+およびAUX CH-)とHPDを1個のピンで伝送することが可能となっている。
なお、STMicroでは、MYDPを携帯型電子機器からのA/V出力の標準規格にするため、同インタフェース規格案をVESA(Video Electronics Standards Association)に提出しているほか、ST-Ericssonと協力して、MYDPの普及をサポートするための製品の発表を計画しており、第1弾製品のサンプル出荷を、2011年第3四半期に行う計画としている。