アビームコンサルティング プリンシパル 経営企画グループ 山田裕一氏

アビームコンサルティングは2月17日、BI(Business Intelligence)サービス「ABeam BI」シリーズを強化・拡充し、具体的なサービスとして、企業の基幹システムに蓄積された情報分析と活用支援に特化した「情報活用促進サービス」の提供を2月18日より開始すると発表した。

経営企画グループ プリンシパルの山田裕一氏は、同社がこの時期にBIサービスを強化する理由について、「外部環境としては、「企業の大半がBIを導入していながら、データ活用やITをドライブとしたビジネス変革にたどりつけていない」、「企業におけるBI利用において、IT部門が役割を果たせていない」という状況がある。さらに、企業ではデータ分析に対するニーズが高まっている。当社の強みとしては、グローバルで提供している経営基盤の構築サービスで培ったノウハウを生かすことができるほか、成功報酬型による顧客の支援が可能なことがある」と説明した。

BI分野の強化策としては、30名程度の組織横断的な体制として「BIイニシアティブ」を立ち上げたという。

ABeam BIサービスは、「BI導入準備診断サービス」、「BI導入サービス」、「BI活用診断サービス」、「情報活用促進サービス」から構成される。これらのうち、今回新たに発表されたのが情報活用促進サービスはデータ分析・活用をアウトソーシングで提供するもので、価格は500万円からと想定されている。

アビームコンサルティング プリンシパル プロセス&テクノロジー事業部 秋山紀郎氏

プロセス&テクノロジー事業部 プリンシパルの秋山紀郎氏は、ABeam BIの特徴について、「これまでのBIは自社の要員とシステムを用いて実施することが前提に進められていたが、"要員の育成に時間がかかる"、"育成した要員が人事ローテーションで外れてしまう"、"予算不足でインフラを増強できない"といった問題が発生していた。しかし、当社のサービスを活用して、BI機能を外部調達して専門性の高いBIを実施すれば、洞察力の高い結果を導き出すことができる」と語った。

同氏によると、育成した要員が人事ローテーションで外れてしまうということは日本特有の問題だという。「欧米では、データ分析を行う要員は専門性が高いリソースと見なされており、簡単にジョブローテーションしない」

情報活用促進サービスの提供形態は、アウトソース型とインソース型の2パターンがある。アウトソース型では、クライアント企業は関連データを提供し同社がその分析を行う。インソース型では、同社のコンサルタントが顧客企業に常駐してデータの分析を行う。

提供するメニューは、経営管理領域、CRM領域、SCM領域と多岐にわたっており、具体的な利用例としては、「営業活動の最適化」「売価の最適化」「需要予測による生販在計画最適化など」がある。同氏は、ターゲットとしている顧客層について、「顧客データを活用するビジネスや在庫を持つビジネスを行っている企業」と説明した。「在庫を減らすという点で情報活用促進サービスは有効」

「情報活用促進サービス」の概要

「情報活用促進サービス」のメニュー

ソーシャルメディアをターゲットとしたマーケティング分野の案件として、Twitterに関する案件が始まっていることが紹介された。その概要は、Twitter上のデータと社内で抱えているデータを比較するというものだ。同氏は、「Twitter上には、消費者の本音など、企業が把握していないデータが多い。これらを分析することで、ビジネスに何らかのメリットがもたらされるはず」と説明した。