EMCジャパンは2月15日、「EMC Celerra」と「EMC CLARiX」を1つのブランドに統合・拡張し、SANとNASに対応するデータ自動階層化機能を実装したユニファイド・ストレージ「EMC VNXファミリ」を発表した。
代表取締役社長の山野修氏は、「VNXはCelerraとCLARiXが提供してきた高い機能や信頼性を引き継ぎながら、"利用が簡単、効率的、価格がお手頃"を実現した画期的な製品。現在、ストレージ市場ではハイエンドモデルよりもミッドレンジやエントリーモデルへの需要が高まっている。ミッドレンジやエントリーレベルのストレージについても統合したいというユーザーが増えている。当社としては、VMXでこれらのニーズにこたえていく」と、VMXの長所をアピールした。
製品の詳細については、プロダクト・ソリューションズ統括部 マネジャーの中野逸子氏より説明がなされた。
EMC VNXファミリは高機能な「VNXシリーズ」とシンプルな「VNXeシリーズから構成される。VNXシリーズは2月28日より出荷が開始され、VNXeシリーズは今年4月より販売が開始される予定だ。
VNXシリーズを構成するのはVNX5100、VNX5300、VNX5500、VNX5700、VNX5800、VNX7500の5製品。同氏は、VNXシリーズの特徴について、「SSDを生かす最新のハードウェアとソフトウェア機能によって、従来製品の3倍以上のパフォーマンスを実現すること」と述べた。
SSDを生かすソフトウェア機能としては、「FAST VP」と「FAST Cache」がある。FAST VPはSAN(ブロック)NAS(ファイル)に対応する自動階層化された仮想化プールで、FAST Cacheはフラッシュをキャシュに活用するテクノロジーだ。FAST Cacheでは、最も利用頻度が高いデータをフラッシュに置くことで、フラッシュ有効活用する。
同氏はさらにVNXシリーズの長所として、VMware製品との親和性の高さを紹介した。「VMwareの管理画面からVNXシリーズが管理できるほか、災害対策やデータ保護ソリューションにおいてもVMware製品と連携している。ミッドレンジのストレージではオンラインデータを保護することは重要」と同氏。
同社はVNXファミリのエントリーモデルとして「VNXeシリーズ」の提供を今年4月より行うことを予定している。同シリーズの特徴は「設置作業」と「ストレージの割り当て」が簡単な点だ。設置作業は10分で完了するという。
VNXシリーズはNASだけのモデル、SANだけのモデル、NASとSANの両用モデルが用意されている。今回、NASだけのモデルは戦略的な価格付けがされており、VNX5300のNASモデルは212万円からとなっている。
「高機能でコストパフォーマンスのよいVNXファミリの投入によってハイエンドラインのSymmetrix VMAXの販売数が減るのではないか」という質問に対し、山野氏は「機能性と信頼性はVNXよりもVMXのほうがすぐれている。よって、ミッションクリティカルなシステムを利用している顧客にはVMAXを使っていただく」と回答した。
また、「従来製品よりも安価なVNXを拡販することによる売上ダウンはないのか」という質問に対しては、「昨今、"BIG Data"と呼ばれるデータの爆発的な増加が起きているので、これらに対応していくことで、売上を確保していきたい」と、同氏は述べた。