Intelは2月14日(スペイン時間)、同社の32nmプロセス技術に基づくスマートフォン向けプロセッサ「Medfield」(開発コード名)のサンプル出荷を開始したことを発表した。また、併せて、モバイル分野における半導体製品やソフトウェア、接続機能の計画などについて発表した。
"Medfield"は、低消費電力が要求されるスマートフォン市場向けに2011年中に発売が予定されている製品で、PC向けプロセッサで展開している同社の32nm High-K/メタルゲート(HKMG)プロセスルールを適用したもの。前世代の「Moorestown」(開発コード名)の後継となるもので、リーク電流の低減などを実現しているという。
また、同社のモバイル通信事業部(旧Infineon Technologiesの無線ソリューション事業で現在はIntel Mobile Communications:IMC)が、小型で低消費電力なマルチモード(LTE/3G/2G)対応チップのサンプル出荷を2011年後半より開始し、2012年後半にグローバルなLTEソリューション機器を幅広く出荷開始することも明らかにしたほか、こうしたプロセッサの性能向上を推進するため、Intel Capitalの投資先である蘭Silicon Hiveの買収も発表した。
Silicon Hiveはプログラマブルなプロセッサコア「HiveFlex」やビデオデコーダIPコア「HiveGO」などの画像処理や映像処理、通信処理用の特定分野向けソリューションの開発などを行ってきた企業で、Intelは同社の買収により、モバイル・スマートデバイス分野においてイメージングやマルチメディア・ビデオ・プロセッサ技術の重要性が増しており、AtomベースのSoCの差別化をさらに加速することができるようになると説明している。
さらに同社は、無線周波数(RF)と新しいプロセス技術の統合における進展についても発表。同成果は、単一のプロセッサ上に、通常のRFチップセットを3個搭載することができるようにするというもので、これにより将来のSoC設計における電力消費やパフォーマンスの改善、コスト削減につながるとしている。