STMicroelectronicsは、スマートフォン、タブレット端末、モバイルPCなどの他、USB2.0やHDMIといった有線接続にも幅広く使用される高信頼性・高速データ回路の部品数を低減し、設計を簡略化することを可能とするIPAD(Integrated Passive and Active Devices)技術を採用したIC「ECMF02/ECMF04」を発表した。すでに量産を開始しており、5000個購入時にμQFNパッケージ(6リード)品の「ECMF02-2AMX6」が約0.18ドル、μQFNパッケージ(12リード)品がの「ECMF04-4AMX12」が約0.36ドルとなっている。

「ECMF02/ECMF04」の利用イメージ

2製品ともに、高速データ・ラインに必要とされるコモンモードフィルタ(CMF)とESD保護を集積したシリコン・ベースのIC。

CMFは電磁干渉(EMI)に起因するデータ・エラーを防止するもので、通常、個別のセラミック部品を使用するが、これらの製品は、1チップソリューションであるため、CMFとESD保護の搭載で必要となる個別部品での実装面積と比べ、最大50%の面積低減が可能となるほか、厚さが0.55mmのため、薄型機器への搭載も可能であると同社では説明している。

なお、シングル・データ・チャネル搭載品が「ECMF02」、2種類のデータ・チャネル搭載品が「ECMF04」となっており、いずれも差動帯域幅は6GHz(HDMI/MIPI D-PHY/USB2.0対応)を実現しているほか、コモンモード減衰特性は900MHz時で-34dB、800MHz~2.2GHz時で-20dBを実現、残留電圧(Vpeak)も50V未満を実現している。