Intersilは、サーバ、テレコミュニケーション機器、ネットワーク機器、ストレージ装置などのポイント・オブ・ロード(POL)電源(負荷近くに配置する電源)を主なアプリケーションとする、高集積のデジタルDC/DCパワーモジュール「ZL9101M」を発売した。すでに量産受注を開始しており、1,000個受注時の単価は18.24ドルとなっている。
同製品は、幅広いシステム要件にも適用できることを目指した「Power Made Simple」(電源設計をより簡単に)を実現しようという、同社の基本的な方針に基づいて開発されたもので、12Aまでの電源回路を短期間かつ簡単に構成できるソリューション。
複数のMOSFET、パワーインダクタ、ディスクリート部品、およびデジタルDC/DCコントローラ「Zilker Labs」を1パッケージに集積したモジュールで、電源回路を構成する部品点数の削減が可能だ。また、12A以上の出力電流を必要とするアプリケーションにも対応可できるように、複数のZL9101Mを並列に接続し出力電流をシェアするDigital-DCテクノロジを搭載している。
さらに、パッケージには15mm×15mmのQFNパッケージを採用。大きめのサーマルパッドをパッケージ下面に設けるとともに、はんだの目視チェックができるように端子をパッケージ周囲に露出させつつ、熱抵抗は、パッケージ上面で11.5℃/W、パッケージ下面で2.2℃/Wをそれぞれ実現しているほか、電力密度は、競合ソリューションに比べて3倍以上となる、61W/cm3を実現している。
なお、同製品は、はんだ付け作業を必要とすることなく、ソフトウェア「PowerNavigator」を活用することで、マウスの操作のみで電源パラメータをPMBusインタフェースを通じて設定するだけで終えることができる。また、内蔵のZilker Labsデジタルコントローラによって制御されるPMBusを介して、電圧、電流、温度などをリアルタイムでモニタすることもできるため、システムの自由度を広げることが可能だ。さらに、アダプティブな性能最適化アルゴリズムを採用し、負荷範囲全域にわたり電源変換性能と効率を高めることに成功している。