アドビ システムズが都内にて開催したイベント「Adobe Digital Publishing フォーラム 2011」にて、日本国内の出版社による電子出版・電子書籍の最新事例が紹介された。フォーラムでは、電子版商品カタログの最新事情や漫画雑誌の電子化などについて語られた。なお、同フォーラムにおけるその他の事例は以下の記事を参照して欲しい。
●Adobe Digital Publishing フォーラム -国内出版社の電子書籍最新事例(1)
●Adobe Digital Publishing フォーラム -国内出版社の電子書籍最新事例(2)
●Adobe Digital Publishing フォーラム -リリース前の最新コンテンツも紹介
動画やTwitterビューワーを組み込んだ電子版商品カタログ
同フォーラムにて、YAMAGATA INTECH 水尾氏は、富士フイルムや東芝、ソニーなどの電子書籍版カタログを紹介した。ある製品の電子カタログには、写真と文章による製品紹介だけでなく、PVやCG映像も組み込まれている。
また、別の電子カタログでは、裏表紙(表4)にTwitterビューワーが組み込まれているものもあった。カタログを読み終わった後、今その製品が世間でどのような評判になっているかという生を声を確認することができるという仕組みだ。水尾氏によると、「DTPデザイナーが制作した素材をアレンジするだけで電子書籍化できたため、カタログの制作作業はスムーズに行えた」とのこと。また、製品によっては動画でしかその本当の魅力を伝えられないというものもある。「紙のカタログよりもわかりやすい」という声が多くの閲覧者からは寄せられたとのこと。
漫画雑誌のグラビアに動画や音声を収録
毎週50件あまりの電子出版案件をこなしているという凸版印刷からは、情報コミュニケーション事業本部 大和氏が登壇し、集英社の漫画雑誌「ヤングジャンプ」のグラビアページのサンプル版を披露した。
紙媒体でのグラビアページは写真と文章のみで構成されるが、電子書籍化すればアイドルへのインタビューや撮影現場の風景を動画で見せられる。大和氏が持参したサンプル版では、動画や音声が楽しめるだけでなく、写真の拡大・縮小、スクロールも可能だった。さらに、誌上では掲載しないカットの写真もふんだんに収録できる。大和氏は、「Adobeのワークフローを取り入れたので、『InDesign CS5』のオペレーターがいれば比較的簡単に作れる。将来的には電子書籍の量産工場も作りたい」と大きな豊富を語った。。