アクセンチュアは2月7日、2011年事業方針説明会を開催した。説明会には代表取締役社長の程近智氏が出席し、同社のビジネス概況、新規ビジネス、重点ソリューション「マネジメントサービス」について説明を行った。

アクセンチュア 代表取締役社長 程近智氏

程氏は、「2011年度はグローバルで対前年比8%から11%の成長を達成する見込みとなっている。また、2006年度から2010年度の5年間の成長率を見ると、グローバルが5.4%であるのに対し、日本は約2倍だった」と、同社の好調さをアピールした。

また同氏は、「最近、日本のグローバル企業は地盤沈下している。地盤沈下とは、シェアが落ちているという意味だが、逆に言えば、日本は成熟しているがまだ延びる余地があるということ」、と同社のビジネスチャンスがまだ日本市場に多く残されていることを示した。

同社のコアビジネスは、「マネジメントコンサルティング」「テクノロジー」「ビジネスプロセス・アウトソーシング」の3本の柱から構成されるが、売上の7割はテクノロジーが占めている。最近はこれらに、「アクセンチュア アナリティクス」「同 インタラクティブ」「リスクマネジメント」「スマートグリッド」といった新規ビジネスにも注力している。

アクセンチュア 経営コンサルティング本部統括本部長 西村裕二氏

国別では、BRICsに韓国とメキシコを加えた6ヵ国を成長市場ととらえ、重点的に取り組んでいる。加えて、グローバルへの進出を目指す日本企業からのニーズにこたえるため、日本オフィスの社員の海外駐在を増やしているという。具体的な国としては、インド、中国、シンガポールの名が挙げられた。

同氏は、ビジネスプロセスのアウトソーシングを希望しているなど、最近は"持たざる経営"を志向している企業が多いことを踏まえ、2011年は「マネジメントサービスに力を入れる」と話した。

マネジメントサービスの詳細については、経営コンサルティング本部統括本部長の西村裕二氏が説明を行った。

同氏は、「マネジメントサービスは顧客との関係性を変えるもの。これまでは顧客のためにビジネスを行うというスタンスだったが、マネジメントサービスでは、顧客と共にリスクを負うと同時に価値をシェアすることになる。また、技術力は十分備えているけれども、コストやビジネスモデルの構築力といった経営力に弱い日本企業をサポートすることで、企業力の向上に貢献したい」と話した。

「アクセンチュアではグローバルのオペレーティングモデルを、下から、『国別組織』『地域シェアード組織』『グローバル組織』『スーパーグローバル スーパーローカル』の4段階に分けている。グローバルのハイパフォーマンス企業は1990年代前半の時点ですでに2段階の地域シェア^ド組織に到達していたが、日本企業は現時点で1段階の国別組織にとどまっている。マネジメントサービスで、日本企業の巻き返しを支援していきたい」

マネジメントサービスは「戦略」「営業・マーケティング」「サプライチェーン」「管理」の4つのエリアの下、12のサービスを提供する。すでに各エリアにおいて事例がいくつもあがってきているという。

アクセンチュア マネジメントサービスの概要

マネジメントサービスの特徴の1つに、費用がサービスフィーと「成功報酬」の合算であることだ。同氏は、「日本では成功報酬はなかなか受け入れられないが、測定が容易な"コスト削減"に関するサービスは成功報酬型の料金も受け入れられやすい」と述べた。