ルネサス エレクトロニクスおよびルネサス モバイルは2月8日、LTEをはじめ、HSPA+、GSMに対応するトリプルモードモデムプラットフォーム(チップセット)「SP2531」を製品化したことを発表した。ルネサス モバイルが2011年3月よりサンプル出荷を開始する予定で、2011年末からの量産を計画している。
同プラットフォームは、Nokiaのモバイルワイヤレス事業買収により獲得した技術に基づく3GPP規格対応のトリプルモードモデムチップ(ベースバンドプロセッサ)と、ルネサス エレクトロニクスが保有する既存のRFトランシーバIC、パワーアンプ、電源ICと関連ソフトウェアにより構成されている。
最新の通信規格LTE(TD-LTEおよびFDD-LTE Cat 3)に対応し、下り100Mbps、上り50Mbpsの高速データ転送を実現することが可能。また、LTEだけでなく、既存のGSM、W-CDMA、HSPAなど、幅広い通信規格に対応しており、HSPA+については、3GPP規格Release8に基づき、下りは42Mbps(DC-HSDPA Cat 24)、上りは11.5Mbps(DC-HSUPA Cat 7)と、従来よりもデータ転送性能が向上している。さらに、各モデムに最適なRFトランシーバICを組み合わせることで、世界各国で異なる周波数に対応することが可能となっている。
同プラットフォームは、携帯電話だけでなく、データ通信カード、カーナビゲーションやネットブックなど多様な携帯機器から成るコンバージェンス市場をターゲットとしたもので、ルネサス モバイルでは、単にモデムプラットフォームを供給するだけなく、アプリケーションプロセッサなども一緒に提供することで、顧客の製品開発を容易にすることを目指し、主要なモバイルOSであるAndroid、MeeGo、Symbian、Linux、Windows Mobileに対応した製品展開を進めていくとするほか、Nokiaのワイヤレスモデム部門出身のエンジニアによる各種コンサルティングサービスの提供を行うことで、カスタマの製品開発期間や接続テスト期間を短縮し、製品の市場への早期投入の促進を目指すとしている。