矢野経済研究所は2月7日、国内のインターナルプライベートクラウド市場に関する調査結果を発表した。

同社は、クラウドコンピューティングについて「『仮想化』、『自動化』、『標準化』技術等を施し、ITに関わるリソースを共同利用するものを指す」と定義。そのうえで、プライベートクラウドについて「特定企業(グループ含む)向けに構築されるクラウドコンピューティング環境」と説明し、ユーザー企業が所有するデータセンターに構築するものを「インターナルプライベートクラウド」、ベンダー所有のデータセンターに構築するものを「エクスターナルプライベートクラウド」と呼んでいる。

今回公開されたのは、このうちのインターナルプライベートクラウドに関係する調査結果。それによると、2010年のインターナルプライベートクラウドの市場規模は641億円となる見込みで、2011年には77.1%増の1135億円、2012年には前年比52.3%増となる1728億円へと推移すると予測している。

ただし、その後については「2014年になると伸び率にも陰りがみられ、2015年には前年比4.6%の成長に留まる見通し」とし、2010年~2015年までの年平均成長率(CAGR)を32.7%と予測している。

インターナルプライベートクラウド市場規模推移

なお、同社はインターナルプライベートクラウドについて、「クラウドコンピューティング市場において先行して立ち上がる」分野と見込んでいる。その理由としては、「ユーザー企業のコスト削減ニーズ」を挙げており、「クラウドコンピューティングの技術を自社のIT設備に適用することで、H/Wと運用コストの削減を狙う大手ユーザー企業が先行して取り組んでいる」と分析している。

今回の調査は、2010年5月~2011年1月にかけて実施。ユーザーとベンダーの双方を対象に、国内の民間企業/自治体496件に対する郵送アンケートと、同社専門研究員による直接面談調査を行っている。また、クラウドコンピューティング全体に関する調査結果も15万7500円~で販売している。