MM総研は2月3日、2010年の国内PC出荷実績を発表した。これによると、同市場は出荷台数で前年比17%増の1,527.1万台となり、95年の統計開始以来、過去最高の出荷台数となった。
出荷金額はネットブックの出荷構成比が減少、一体型デスクトップやA4ノートの構成比が上昇したことから平均単価は8.9万円と前年並みに下げ止まり、前年比17%増の1兆3,579億円となった。出荷金額の増加は2000年以来10年振り。
個人・法人別では、個人市場向けの出荷ルート「個人系ルート」は前年比12.7%増の746.2万台の出荷、企業・官公庁向けのメーカー直販と販売店販売を合計した「法人系ルート」は前年比21.5%増の780.9万台となった。
個人市場は当初エコポイントが付与される薄型TVなどに需要が流れることも懸念されていたが、Windows 7の効果で年間を通じて買い替え需要が活性化した。また、統計には含まれていないがタブレット端末の登場による集客効果も寄与しているという。法人市場の大幅成長の要因としては、2010年1月~3月期のスクールニューディール特需とリーマンショック後の景気回復から法人の設備投資が上向きになったことが、挙げられている。
メーカー別では、NECが第2位の富士通と出荷台数で1万台、ポイントで0.1の僅差でトップを獲得した。富士通はドイツの持分法子会社を連結子会社化してから、サーバビジネスと同様に販売ボリュームの拡大を図ってNECを激しく追い上げていた。
NECはレノボと合弁会社設立を発表しているが、両社のシェアを合計すると2010年は25.6%となり、富士通との差が開くことになる。両社は合弁によって国内30%のシェアを目指すとしている。
第3位の東芝は個人市場ではシェアを拡大し、法人市場でもシェアを維持している。グローバル展開による価格力と製品ラインアップの多さを武器にする第5位の日本ヒューレット・パッカードと第7位のレノボジャパンがシェアを拡大する一方、ネットブックでシェアを大きく拡大したエイサーは順位を1つ下げた。