FPGAベンダ大手のXilinxは、ハイレベル合成分野大手のAutoESL Design Technologiesの買収を発表した。
同買収は、Xilinxのテクノロジ基盤と製品ポートフォリオを拡張してハイレベル合成に対応させることを目的としており、これにより、システムアーキテクチャやハードウェアの設計者が C、C++、System Cといった言語を用いて、より抽象度の高い設計を行っている企業を含め、幅広いカスタマにプログラマブルプラットフォームのメリットを提供することが可能となる。
また、FPGAに求められている複雑な設計を可能とする、エレクトロニック システム レベル(ESL)のデザイン メソドロジに対応したツールへの顧客需要の高まりに対応することも可能になる。
AutoESLのフラッグシップ製品であるハイレベル合成ツール「AutoPilot」は、多くの半導体企業やシステム企業などで活用されており、ビデオやワイヤレス、高性能コンピューティングといったアプリケーションで用いられており、そのカスタマには、Xilinxのカスタマやアライアンス プログラムのメンバー企業が25社以上含まれているという。
なお、AutoPilotは、XilinxのFPGAアーキテクチャに最適化されており、スループットや消費電力、面積、タイミングといった設計上の目標を満たすため、可能な限り最善のQoRを生み出すRTL(Register Transfer-Level:レジスタ転送レベル)コードをインテリジェントに生成することが可能だ。また、C、C++、SystemCといった言語を用いてより高い抽象度で作業ができるため、検証に要する時間を従来に比べ短縮することが可能となる。
さらにAutoPilotとISE Design Suiteを組み合わせることで、システム アーキテクチャやハードウェアの設計者に加え、将来的にはエンベデッド ソフトウェアの開発者も、シリアル プロセッシングとパラレル プロセッシングを組み合わせることによる将来的なシステム要件を満たすことが可能となるほか、複雑な機能が求められるようになる将来的なグローバルニーズに対応できるようにもなるという。
同買収に伴い、2011年の前半にはAutoPilotのXilinx専用バージョンがカスタマに提供される予定で、その後は、ISE Design Suiteのオプションとして提供される予定となっている。