NTTデータは2月1日、2010年度第3四半期の連結決算業績および通期見通しを発表した。2010年4月から12月までの累計売上高は前年同期比172億円増の8,139億円、営業利益は前年同期比42億円減の459億円、経常利益は前年同期比22億円減の429億円、純利益は前年同期比10億円増の228億円と増収減益となった。

受注高は前年同期比2,006億円と大幅減の7,712億円となった。大幅減の主な要因には、前期に引き続き、パブリック&フィナンシャル・カンパニーの大規模案件の更改の減少がある。2011年3月期の通期業績予想は、第2四半期発表時に修正した予想から変更されない。

2011年3月期 第3四半期業績

2011年3月期 通期業績予想

NTTデータ 取締役常務執行役員 塩塚直人氏

累計に続き、取締役常務執行役員の塩塚直人氏は直近3ヵ月の業績について発表した。累計は増収減益だったが、直近3ヵ月では売上高が前年同期比163億円増の2,802億円、営業利益が前年同期比38億円増の205億円と、増収増益となった。

同氏は売上高が増加した要因について、「パブリック&フィナンシャル・カンパニーにおいて大型案件が完成したほか、グローバルITサービス・カンパニーとソリューション&テクノロジー・カンパニーで連結子会社が拡大したため」と説明した。

同社は昨年10月に米ITサービス企業Keaneの持ち株会社であるKeane Internationalを買収し、子会社化を行っている。同氏によると、Keaneによる売上は200億円程度だという。

NTTデータ 取締役執行役員 栗島聡氏

取締役執行役員 栗島聡氏は、10月-12月期で増収増益を達成した大きな要因として、「不採算案件の減少」を挙げた。同社は前期の決算説明会で、不採算案件を減らす対策として、モニタリングやテストを強化すると発表したが、新規案件に対してこれらは実施されており、今のところ大きな問題は見つかっていないという。

さらに同氏は、不採算案件への対策として、受注前のリスクを減らしていると説明した。「リスクを盛り込んだ形で受注を判定するなどして、開発プロセスだけでなく、営業プロセスにおいてもリスクを減らすようにしている」