日立製作所は、個人認証を必要とする金庫、ロッカー、キャビネット、タイムレコーダー、専用端末などに、認証装置として組み込むことができる「機器組込み用小型指静脈認証ユニット」の新モデル「PCT-KCC5031/PCT-KCC9031」を発表した。

機器組込み用小型指静脈認証ユニット

日立は、2009年1月より「機器組込み用小型指静脈認証ユニット」の提供を開始、現在では各種の組み込み機器搭載されているが、利用用途の拡大に伴い、室内のドアの鍵装置としての利用やモバイル端末への組み込みなど、指静脈の撮影には光学的に厳しい環境での使用ニーズが顕在化してきた。

また、組込機器の使いやすさ向上のために、指静脈データの登録時における指静脈画像の品質情報や認証時の適合度に関する情報を、機器側に提供可能とすることや、より多くの指静脈データを登録できるようにすることなども求められてきており、今回、同社ではこうした新たなニーズに対応するために新モデルの開発を行った。

同製品では、新たにユニットに当たる光の向きや強さに応じて、指静脈の撮影条件をきめ細かく制御して外光の影響を低減する技術を開発し、従来モデルでは困難であった強外光環境下での指静脈の登録・認証機能を強化した「外光対応モード」を搭載し。これにより部屋に射し込む日光や強い照明の下でも指静脈認証ユニットを活用できるようになった。

また、指静脈データの登録時に、撮影した指静脈画像の品質を5段階評価して出力する機能を搭載。これにより、例えばユニットを組み込む機器側で、品質の良い指静脈データを選択して登録できるようになったほか、認証成功時に、登録データと認証データの適合度を3段階評価して出力する機能を搭載。同機能を活用することで、例えば評価値に基づいて適切な指の置き方を組込機器がガイドするといった使い方ができるようになる。

さらに、指静脈の登録データ形式を改良したことで、ユニット本体に記憶可能な指静脈の最大登録データ数を、従来モデルの2倍以上となる360指に拡大。これにより、より多くの従業員を有する企業での勤怠管理などにも適用できるようになった。