ウェスティンホテル東京は1月27日、印Tata Communicationsと米Cisco Systemsとの提携により、Ciscoのビデオ会議システム「TelePresence」を採用した「パブリック・テレプレゼンス・ルーム」を導入したことを発表した。すでに顧客への提供を開始している。

パブリック・テレプレゼンス・ルームは、Tataがホテルなどの施設に提供するTelePresenceを使ったパブリックルーム。現在、世界29拠点でパブリックルームを運用しており、日本ではウェスティンホテル東京が初の導入事例となる。

ウェスティンホテル東京はパブリック・テレプレゼンス・ルームを1時間あたり5万2,500円で顧客に提供する。通信回線はTataが提供する「タタ・コミュニケーションズ・グローバル・ミーティング・エクスチェンジ」を使用し、世界各地のパブリック・テレプレゼンス・ルームのほか、Tataと提携するネットワーク上にあるTelePresenceを設置した会議室と接続することが可能。

TelePresenceは動画データの圧縮フォーマットとしてH.264を採用しており、1080pの高解像度と65インチのプラズマ画面による高精細な画像が特徴。ウェスティンホテル東京で使用されているのは3画面システムの「Cisco TelePresence 3000」で、最大48拠点間を同時に接続できる。

Tata Communicationsは2005年に海底ケーブル網を提供するTyco Global Networkを買収しており、「ネットワーク回線のQoSは非常に高い。音声および画像のディレイはほとんどないと考えていただいていい」(Tata)としている。

現在はTelePresenceを導入した施設間のみの接続となるが、将来的には他社のビデオシステムとの連携や、Ciscoが現在開発中のタブレット端末「Cisco Cius」を使ったリモートなどの実現も図りたいとしている。

ウェスティンホテル東京はスターウッドホテル&リゾートグループに属しており、米シカゴのW シカゴシティセンターや独ミュンヘンのル メリディアン ミュンヘンなど、スターウッド系列の14の施設がパブリック・テレプレゼンス・ルームを運用している。

なお、ウェスティンホテル東京では2月1日から4月30日までの期間、パブリック・テレプレゼンス・ルームを20%オフ料金(4万2,000円/1時間)で利用できるトライアルキャンペーンを展開する。

ウェスティンホテル東京に設置されたパブリック・テレプレゼンス・ルーム。発表ではシンガポール、シドニー、パリ、サンフランシスコの4拠点を東京と接続したデモが行われた。机の色調やライティングなど細部にまでこだわった結果、臨場感あふれるビデオ会議が実現する