National Semiconductor(NS)は、コンフィギュラブル・センサ・アナログ・フロント・エンド(AFE)IC「LMP91000」「LMP90100」の2製品および、それら2製品に対応し、さまざまなセンサを使ったシグナルパス回路設計を可能とする設計支援ツール「WEBENCH Sensor AFE Designer」を発表した。

コンフィギュラブル・センサ・アナログ・フロント・エンド(AFE)IC「LMP91000」「LMP90100」および設計支援ツール「WEBENCH Sensor AFE Designer」のイメージ

コンフィギュラブル・センサAFE2製品はそれぞれ、特定のセンサ・アプリケーションに応じてカスタム化されており、プログラム可能な電流源、基準電圧源オプション、可変サンプリング・レートなどの多彩な特長を提供している。LMP91000は、高性能トランスミッタとトランスデューサ・アプリケーション向けにコンティニュアス・バックグラウンド・キャリブレーション機能と自己診断機能を備えたマルチチャネル低消費電力24ビット・センサAFE。

このコンティニュアス・バックグラウンド・キャリブレーション機能は特許取得済みで、全温度範囲にわたって長時間、オフセットとゲイン・エラーを効率的に除去することが可能だであり、これによりオフセットとゲイン・エラーは計測した信号に悪影響を与えることなく決定されることとなる。

差動入力またはシングルエンド入力のいかなる組み合わせとのインタフェースにも対応するフレキシブルな入力(マルチプレクサ)を採用しているほか、24ビット・ΣΔA/Dコンバータ(ADC)を採用。信号ゲイン(1、2、4、8、16、32、64、128)、サンプリング・レート、自己診断機能はセンサごとにプログラム可能で、センサ駆動のために2つの整合した電流駆動を使用することが可能となっている。

一方のLMP91000は、センサとADC間のシグナルパスを全面的にカバーする集積型ソリューションを提供する、フルコンフィギュラブル低消費電力ポテンショスタット。このAFEはプログラム可能で、3電極式シングル・ガス・センサおよび2端子方式酸素センサなどのマイクロパワー化学センサとガス・センサなどにも適用することが可能となっており、ガス濃度に比例するポテンショスタット内の電流値を測定することができる。

また、トランスインピーダンス・アンプを使用し、セル電流に比例する出力電圧を生成。トランスインピーダンス・ゲインをユーザーがI2C互換インタフェースを通じてプログラミングでき、0.5nA/ppmから9.5nA/ppmの範囲にわたる有毒ガス感度に対するサポートを可能とするほか、消費電力が低いため、バッテリ駆動システムや4mAから20mAのトランスミッタ・アプリケーションに最適となっている。

さらに、オンボード・プログラマビリティを使うことで、ユーザーがセル電圧とセルの出力ゲインを選択することが可能。これらにより、デバイスの総消費電流を平均10μAまで抑えながら、広範な種類のガスとガス濃度への対応が可能なる。加えて、I2Cインタフェースによりユーザーによるセンサ性能の検証を可能にしている。

ツールであるWEBENCH Sensor AFE Designerは、設計とプロトタイプ評価に要する時間の短縮のために、ハードウェア・インタフェースを内蔵したベンチトップ評価ツールを利用でき、数百種類の温度、圧力および化学センサの技術仕様に対応することが可能となっている。データベースでは、Omega Engineering、Honeywell Sensing & Control、Tempco Electric HeaterおよびAll Sensorsの製品のデータを利用でき、これらと組み合わせ、設計回路の構成データをセンサAFEにダウンロードし、センサを取り付け、評価を開始することができるようになっている。