英Sony Ericssonは1月20日(現地時間)、2010年第4四半期(10月-12月期)および2010年通年の業績報告書を発表した。第4四半期は4四半期連続で黒字となり回復と安定を印象付けたものの、普及期に入ったスマートフォン時代に向け、ベンダーが直面する課題も露呈する内容となった。

2010年第4四半期は、売上高が15億2800万ユーロ(約1708億円)で、前年同期から13%減少した。純利益は800万ユーロ(約8億9400万ユーロ)。これは、前年同期に計上した1億6700万ユーロ(約186億7000万円)の損失から大幅改善となった。

総出荷台数は1120万台。前年同期の1450台から減少した。平均販売価格(ASP)は136ユーロ(約1万5200円)。前年同期からは12ユーロ上昇したが、前期(2010年第3四半期)からは18ユーロの減少となった。

通年では、売上高は62億9400万ユーロ(約7037億円)、純利益は9000万ユーロ(1億6300万円)。売上高は前年から減少したが、純利益は8億3600万ユーロ(約934億円)の損失からの黒字回復となった。

同社は、第4四半期の自社シェアを台数ベースで3%(金額ベースでは5%)、2010年通年のシェアを4%(金額ベースでは6%)と推計している。

社長兼CEOのBert Nordberg氏は、「2010年は転機の年」とし、「Xepria X10」などの「Android」を採用したハイエンドスマートフォンポートフォリオへのシフトが成功したとコメントした。また、4000人の人員削減を含むコスト対策が奏功したことにも触れた。

一方で、第4四半期の数値はアナリストの予想を下回っており、製品サイクルの短縮と価格競争が激化しつつあるスマートフォン市場での舵取りの難しさもうかがわせた。