STMicroelectronicsは、NDS VideoGuard Security Kernelと「DVB-CSA3」デスクランブラ・システムを含む次世代セキュリティ技術ならびにコンテンツ保護技術を搭載したSTB用デコーダIC「STi7108」のサンプル出荷を開始したことを発表した。同製品は、2011年初旬に量産を開始する予定。
NDS Security Kernelは、メディア・コンテンツと事業者のサービスを保護するNDSの次世代の組み込みセキュリティ・ソリューションで、NDS VideoGuardコンテンツ保護ソリューションを構成する同セキュリティ・カーネルは、Control Word ProtectionやDRM技術を提供する機能などのソリューションにより、新しいデジタル・メディア市場を作り出すのに必要とされる安全性を特徴としている。
また、NDS Security Kernelに加え、DVB-CSA3もサポートしている。DVB-CSA3は、ETSI(ヨーロッパ電気通信標準化協会)がライセンスを付与する放送用デスクランブラ規格の最新版で、これにより、数年後に出現することが予想されるデスクランブラに向けた次世代の攻撃に対する保護を、DVB-CSA2に代わって提供することが可能となる。
256K L2キャッシュにリンクされているデュアルCPUホスト・プロセッサを搭載し、最大3000DMIPSの性能を発揮するほか、ユーザ・インタフェースの新たなクラスを実現する3Dグラフィック・エンジンを搭載、3D電子番組ガイド(EPG)などの技術発展をサポートし、STBにおける高度なインターネット・コンテンツや高性能ゲームの利用を実現可能だ。
また、グラフィック・プロセッサ「ARM Mali-400」を採用しており、高解像度の3D体験を提供することが可能なほか、業界標準である最大1080p 50/60の高解像度フォーマット(H.264、MVC、MPEG-2、VC-1またはWMV9インターネット・ビデオ、MPEG-4 Part 2など)と1080i/720pのフォーマット(ピクチャ・イン・ピクチャやモザイク・フォーマット)を同時にデコードすることができる。加えて、1066MHzでデュアル32/16bit LMI DDR2/DDR3を提供するメモリ・インタフェース・オプションも用意されている。
さらに、最大6個のトランスポート・ストリーム入力を持ち、HDCPコピー保護をかけたフル解像度のHD 3DTVをHDMI 1.4へ転送することが可能なほか、DLNA規格に準拠したコンテンツ共有をサポートしているため、次世代HDメディア・プレーヤやOTT(Over The Top)STBでも使用可能となっている。
このほか、STMicroでは、Adobe Flash Accessを搭載したSTB/TV用SoCプラットフォームによるコンテンツ保護が可能になったことも発表している。
Adobe Flash Accessは、Adobe Flash Platformの主要コンポーネントで、AIR for TVプラットフォームに統合されている。これにより、OEM・ODMメーカーやアプリケーション/サービス開発企業は、同社のハードウェア・アクセラレーションやソフトウェアに最適化されたアプリケーションの開発・構築が可能になる。
なお、同社のTV・STB用SoCに搭載されているAdobe Flash Accessは、コンシューマ機器の評価・開発用としてすでに提供が開始されている。