ルネサス エレクトロニクスは1月19日、PCやサーバ、プリンタの高速DRAMなどの専用電源向けに、25A対応製品として電源用パワーMOSFETと電源コントローラを1パッケージ化し、電源システムの小型化、省電力化を可能とするパワー半導体(POLコンバータ)「R2J20751NP」を製品化、2011年2月よりサンプル出荷を開始することを発表した。サンプル価格は1個あたり315円で、量産は2011年3月から開始し、2012年3月以降は月産50万個を計画している。
同製品は、5Vの電圧をメモリ向けに1.5Vに変換するなどの電圧変換を行うPOLコンバータで、チップの微細化と実装技術などを採用することで、2つのパワーMOSFETとその駆動制御を行う電源コントローラ(ドライバ内蔵PWMコントロールIC)を6mm×6mmの小型パッケージへ搭載。電圧変換に使用する一対のパワーMOSFETとその駆動制御を行う電源コントローラの自社の単品による構成と比べ、約60%の実装面積削減を実現している。
また、5Vの入力電圧を1.5Vに変換して出力する場合の電力変換効率は最大94.5%(5A時)であり、25A対応のパワーMOSFETと電源コントローラの構成では業界最高クラスの効率を実現しており、電力変換時の損失を低減できるため、省電力化を図ることができるようになる。
さらに、25A以上が必要な大電流に対応するため、複数個組み合わせて1つの製品のように使用(マルチフェーズ動作)できるよう、独自のクロック伝達方式(リレー方式)を開発、連携動作を実現した。これにより、システムラインアップ時に高速DRAM(DDR型)などの電子デバイスの消費電流に応じて、柔軟に個数を変更可能で、電源設計の簡略化を可能とするほか、マルチフェーズ動作時には、内蔵しているオート・フェーズ・コントロール機能を使うことで、電源の出力電流に応じて(5A時は1フェーズ、30A時は4フェーズなど)、自動的に最適なフェーズ数に切替えることが可能であり、装置の省電力化をさらに進めることが可能となっている。
加えて、POLコンバータに要求される、過電流保護、過電圧保護などの各種保護機能も内蔵しているため、少ない外付け部品で信頼性の高い電源システムを構築することができるようになっている。