凸版印刷は1月17日、IBMと最先端の回路線幅14nmの半導体向けのフォトマスク製造プロセスの共同開発契約を締結したことを発表した。

凸版とIBMによるフォトマスク製造プロセス向け共同開発は、2005年に45nm世代のプロセスを開発することから開始。その後、開発範囲は2008年に32nm/28nm、2009年に22nm/20nmプロセスへと拡大をし、今回、新たに14nmプロセス向けの共同開発を行うこととなった。同共同開発の体制は、2011年1月から2012年にかけて、IBMの米国バーモント州のバーリントン・フォトマスク工場と凸版の朝霞フォトマスク工場で行われる予定。

14nm世代のプロセスでは、EUVリソグラフィなど複数の新技術が検討されており、凸版としてもこれらの新技術の開発を進めている。一方、IBMでも、各種の解像度向上技術を用いることで、先端半導体製造の主流であるArF液浸リソグラフィを、14nm世代まで適用する方針を打ち立てており、今回の共同開発でも、この極微細プロセスにおける解像度向上技術を実現するための技術開発が行われることとなる。

なお、半導体業界では、14nmプロセス世代はダブルパターニングやSMO(Source Mask Optimizatio)などを含めた光学リソグラフィのみでサポートされる最後の世代になるという見方が強く、同世代がEUVリソグラフィへの分岐点になると言われている。