1月13日、帝国データバンクと東京商工リサーチから2010年12月の全国企業倒産の集計結果が発表された。同月の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では949件/2,168億5,500万円、商工リサーチの発表では1,102件/2,464億8,000万円となっている
帝国データバンクの調査結果
2010年12月の全国企業倒産の件数は、前月比(935件)比で1.5%の増加となったが、前年同月(1,021件)に比べて7.1%の減少となった。結果、16ヵ月連続で前年同月を下回り、2010年7月以降、6ヵ月連続で900件台となった
2010年12月の全国企業の負債総額は、前月(2,739億2,300万円)比は20.8%の減少、前年同月(2,998億4,900万円)比で27.7%の減少となった。8月に次いで2010年2番目の低水準となるとともに、2ヵ月連続で前年同月比減少となった。
全国企業倒産件数・負債総額の推移 資料:帝国データバンク |
業種別では、運輸・通信業を除く全業種で前年同月を下回った。なかでも、不動産業は前年同月比53.3%の大幅減少で2010年最低を記録した。また、製造業も12ヵ月連続で前年同月を下回り、前年同月比減少率は2ケタとなった
地域別では、9地域中7地域で前年同月比に比べて減少し、なかでも中国(前年同月比32.7%)減)、四国(同35.0%減)の2地域で減少が目立った。一方、東北(前年同月比33.3%増)は唯一前年同月を上回った。中部は前年同月と同水準だった。
商工リサーチの調査結果
2010年12月の倒産件数は、前月(1,061件)比で3.8%の増加となったが、前年同月(1,136件)比では2.9%の減少と、17ヵ月連続で前年同月を下回った。同社では、「景気対応緊急保証制度」や「中小企業金融円滑化法」などの金融支援策の効果が依然として続いていると見ているが、前年同月比では4ヵ月連続1ケタの減少率で、減少幅が縮小している。
2010年12月の負債総額は、前月(2,738億3,000万円)比で9.9%減少、前年同月(2,955億7,700万円)比では16.6%の減少となり、2ヵ月連続で前年同月を下回り、2010年としては2番目に少ない金額だった。同月の特徴としては、負債1000億円以上の大型倒産が2ヵ月連続ゼロだったほか、小・零細規模の企業倒産が中心を占めたことが挙げられている。
産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業のうち、7産業が前年同月を下回った。増加したのは、金融・保険業(2件→5件)、小売業(120件→131件)、サービス業他(214件→227件)の3産業。
地区別では、北海道・東北・関東・中部北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、5地区が前年同月比を下回った。増加したのは、東北(54件→62件)、四国(24件→27件)、近畿(302件→311件)、関東(396件→397件)の4地区。