The GNU Image Manipulation Program |
OSSで開発されている高機能グラフィック編集アプリケーションとしてはGIMPが代表的な位置づけにあるが、GIMPは2008年10月1日に最新安定版となるGIMP 2.6がリリースされて以来、メジャーアップグレードが実施されていない。13日現在における最新版はGIMP 2.6.11であり、2.6系のままだ。
11日(米国時間)、GIMPチームは状況をはっきりさせるためにリリース方針を発表。説明によればGIMPチームはGIMP 2.8安定版のリリースへ向け作業を続けており、期待されるクオリティを満たせた段階でリリースする予定だとしている。現在の主な阻害要因は最近実施したUI変更に関する仕様書がまだ存在しないことと、GTK+におけるグラフィックタブレットの不具合にあるとしている。すでにUIとブラシツールの改善に多大な時間を費やしてきており、これらが満足できる状況になるまでリリースせずに開発を継続するということのようだ。
GIMP 2.8ではレイヤグループやブラシが改善されるほか、新しくオリジナルのトランスフォーメーションツールが追加され、オプションとしてシングルウィンドウモードも提供されることになる。2.8がリリースされたあとの安定版は3.0ということになるが、3.0では画像処理ライブラリGEGLとのより深い統合に取り組むと説明がある。GEGLはGIMP 2.6で実験的に導入された機能。データを破壊することなく画像処理を実現するために重要になるもので、プロフェッショナル用途でGIMPを採用するにあたって鍵となるコアライブラリと位置づけられている。この開発には時間がかかるとみられており、GIMP 3.0の登場はさらに先の話になるとみられる。