非営利組織のInternet Societyは1月12日 (現地時間)、2011年6月8日を「World IPv6 Day」とし、グローバル規模でネットユーザーを対象にしたIPv6の実地試験を実施すると発表した。Facebook、Google、Yahoo!などが24時間限定でメインサービスをIPv6で提供する。これらのサイトには合わせて1日に10億人以上が訪れる。
IPv4 Address Reportによると、IPv4のプール枯渇のXデーは2月8日。目の前に迫っている。「2011年はIPv6展開の要の年であり、World IPv6 Dayは重要なマイルストーンになる」とInternet Societyのチーフインターネット技術オフィサーのLeslie Daigle氏は指摘する。World IPv6 DayにはFacebook、Google、Yahoo!のほか、AkamaiやLimelight Networksなどのコンテンツ配信ネットワークも参加している。「インターネット産業全体が協力してIPv6への準備をテストする機会を提供することは、大規模なIPv6導入の基盤を築き、IPv6がプライムタイムとなる環境を整える手助けになるだろう」と述べる。
GoogleのチーフインターネットエバンゲリストであるVint Cerf氏は「これまで同様のインターネットを維持するために、IPv6への移行はわれわれが協力して取り組むべき、インターネットの小史における最も重要なステップになる」とコメント。同社は2008年からメインサイトとは別にIPv6版のipv6.google.comを用意してきた。World IPv6 DayにはGoogle.comとYouTube.comをIPv6で提供する。
Internet Societyは、いまIPv6での提供が始まったとしてもネットユーザーの99.95%は影響を受けないと予想している。トラブルに巻き込まれるのはわずか0.05%。しかしながら一部のユーザーはホームネットワーク機器の設定やふるまいの問題などから接続できなくなるといった深刻な問題に直面する。これを浮かび上がらせるのがWorld IPv6 Dayの大きな目的の1つである。参加組織は協力してOSベンダーやネットワークルーターメーカー、ISPなどにトラブル削減のための対応を働きかけ、また開催日までに問題を検出するツールを用意するという。
ホームネットワークの設定などが気になる方は、Internet Societyが用意しているテストページにアクセスするとインターネット接続環境のIPv6対応を確認できる。