パナソニックは、3D映像1画面のスキャン時間2msを実現した32V型および37V型の3D対応IPSα液晶パネルを開発したことを発表した。2011年春より、フルHD対応のLEDバックライト採用3D液晶テレビとして、米国市場向けに「VIERA」ブランドで販売する計画。

同社が手がけるIPSα液晶パネルは、IPS方式のデバイス原理を用い、透過率を高める独自の「IPS-Pro技術」を導入することで、高速応答性能と省エネ化を実現してきたが、今回、新たに開発した駆動技術「超高速スキャン技術(Advanced Pre-Charged Driving)」を採用することで、2msのスキャン速度を実現した。

また、パネル構造や基幹材料などの抜本的な見直しを実施、液晶層の厚みを薄くするとともに、新たに開発した「高流動液晶材料」を採用することで、液晶の応答速度を2010年のIPSαパネル比で2倍の応答速度を実現したほか、新開発の「3D専用信号処理アルゴリズム」を搭載した。

これらの技術により、画面全体を一気に書き込む「面順次方式」のPDPに比べて、走査線ごとにスキャンする「線順次方式」である液晶パネルが原理的に改善が困難とされてきた二重像をあらかじめ取り込んだ映像情報に応じて低減ことが可能となったほか、映画などの24Hzの映像でも滑らかな動きで再現するなど、液晶パネルながら、PDPに近いクリアかつハイコントラストな高画質フルHDおよび3D映像の再現を可能としたと同社では説明している。

なお、同社ではすでに進めている大型サイズでのPDPによるフルHD・3D表示と今回開発したパネルによる中型サイズへのフルHD・3D表示を両輪で進めることで、3D VIERA製品のラインアップを拡大していくとしている。