Freescale Semiconductorは、同社のアプリケーションプロセッサ「i.MX」の次世代シリーズとなる「i.MX 6」シリーズを発表した。2011年末にサンプル出荷を開始する予定。

同シリーズは、それぞれ最大1.2GHzで動作する「ARM Cortex-A9」コアを1つまたは2つ、あるいは4つ統合したもので、最大1MBのシステムL2キャッシュとARMv7、Neon、VFPv3およびTrustzoneをサポートすることで、現行世代のi.MXに比べて最大5倍の性能を発揮することが可能だ。

また、VP8コーデックをハードウェアでサポートしているほか、マルチストリーム対応HD映像エンジンによる1080p60デコード、1080p30エンコード、ならびにHD 3D映像再生を実現。加えて、クアッド・シェーダによる最大200MTPSの3Dグラフィックス性能および独立した2Dおよびバーテックス・アクセラレーション・エンジンによるユーザ・インタフェースの実現が可能なほか、ステレオスコピック画像センサによる、3D画像化のサポートが可能となっている。

さらに、1コア、2コア、4コア間で共通のSoC IP構成要素を有していることから、シリーズ全体を通じたソフトウェアおよび開発ツールの互換性が確保され、内蔵パワーマネージメント機能やHDMI v1.4(PHY内蔵)、SD3.0、 複数のUSB 2.0ポート(PHY内蔵)、Gigabit Ethernet(PHY内蔵)、SATA-II(PHY内蔵)、PCI-e(PHY内蔵)、MIPI CSI、MIPI DSI、MIPI HSI、ならびに車載アプリケーション向けFlexCANなどの各種I/O、パッケージ間のピン互換性などを有することによるシステム・レベルの複雑性解消と開発コスト削減を実現することができる。

なお、ターゲット・アプリケーションとしては、3D映像再生に対応したモバイル・デバイスやゲーム機、拡張現実(AR)アプリケーション、コンテンツ作成機能などが想定されており、これらのどの用途においても、現在の一般的なモバイル・デバイスと比べて、サイズを小型化し、バッテリ寿命の延長が可能となると同社では説明している。