Analog Devices(ADI)は、広範囲の大電流高効率アプリケーション向けに、2出力または大電流用にインターリーブ1出力を構成可能な同期式DC/DCスイッチング・コントローラ「ADP1850」を発表した。すでに量産出荷を開始しており、単価は1000個受注時で1.85ドルとしている。

ADP1850の機能ブロック図

同製品は、スタートアップ・リニア・レギュレータと、ハイサイド・ドライブ用のブートストラップ・ダイオードなどを集積。外部クロックと同期させることができるため、可聴雑音の原因となることのあるコンバータ間のシステム・ビート周波数を除去することが可能なほか、過渡応答の改善のため電流モードで動作し、雑音耐性の強化のためにバレー電流センシングを採用している。

これらの技術により、最高50Aまでの電流出力においてインターリーブ位相間の正確な電流配分を可能にするほか、低負荷の動作時には、パルスをスキップしてスイッチング損失を低減することで、パワーセーブ・モードで動作し、軽負荷でエネルギー効率を改善することが可能となっている。また、外部プログラミング可能なループ補償、ソフト・スタート、周波数、電流制限、そして電流センス・ゲインの設定などのフレキシビリティも提供している。

2出力(最高2×25A)またはシングル・インターリーブ出力(最高50A)のシステムに構成可能なことに加え、2.75Vから20Vの入力電圧範囲(通常時は3.3Vから12V)を提供したことで、他のDC/DCコントローラに比べ高いフレキシビリティを提供することが可能となっている。

さらに、電源間の正確なトラッキング能力を特長とし、独立した高精度のイネーブル・スレショルドおよび精密なPOWER_GOOD機能を内蔵しているため、チャネル間または他のデバイスとの間の高精度かつ正確なデイジーチェーン・シーケンシングが可能となる。