経営チャンネルでは毎週、週間ランキングとしてページビューの高い上位10記事を紹介しているが、本稿はその拡大版の年間ランキングベスト10である。2010年、さまざまなコンテンツをお届けしてきたが、どんな記事が読者の方々に最も読まれたのかを振り返ることで、今年1年の出来事をおさらいしてみたい。
では2010年の経営チャンネルランキングを発表しよう。なお、集計期間は2010年1月1日から12月24日となっている。
1位 | 至急Adobe Readerの更新を!! - IPAとJPCERTが注意喚起 | 10月6日 |
2位 | 国土交通省、高速道路無料化社会実験の対象37路線を発表 | 2月2日 |
3位 | Windows 7を高速化するテクニック6 | 1月6日 |
4位 | ドイツでiPadキラーではない、Androidタブレット「WePad」が登場 | 4月14日 |
5位 | Acrobatを使わずにPDFファイルを編集する方法 | 2009年11月5日 |
6位 | 日本オラクル、4代目社員犬「キャンディ」入社式を開催 - 遠藤社長も登場 | 10月15日 |
7位 | 【レポート】無能な人とはつきあわない - コンサルが教える時間を無駄にしない10のコツ | 10月20日 |
8位 | 【レポート】残業代の一部を有給休暇に! 4/1施行の改正労基法で残業手当はこう変わる | 3月30日 |
9位 | 【レビュー】Googleカレンダーとも同期する、高速起動のiPhone Todoアプリ「Ringo Todo」 | 4月1日 |
10位 | Dropboxには負けない - SugarSyncが日本語サービスを開始、2GBまでは無料 | 5月21日 |
晴れて経営チャンネル年間ランク1位となったのは、Adobe Readerのセキュリティホールに対しての注意喚起を伝えるニュース。掲載したとたん、ものすごい数のアクセスが殺到したことを記憶している。あらためて、Adobe Readerがどれだけビジネスの世界で普及しているかがよくわかった記事でもあった。同時に、ビジネスユーザのセキュリティへの意識が数年前より格段に高くなっていることにも気づかされた。
年間を通して広く読まれた、高速道路無料化社会実験の対象路線に関する記事が2位にランクイン。政権奪取の前の勢いはどこへやら、民主党の高速道路無料化に対する姿勢の二転三転ぶりには、選挙で票を投じた有権者もがっかりせざるを得ないが、この記事がこれだけ読まれたのは国民の期待がまだ高い証拠でもある。来年度以降には何らかの前進を望みたい。
3位には、週間ランキングでもほぼ毎週上位にランクインしていたWindows 7の高速化テクニック記事。ほぼ毎日、高い数字を記録しており、このままでは来年の年間ランキングにも入るのでは!?という勢いである。リリース以来、Windows 7は順調にシェアを伸ばしており、オフィスにおいてもWindows XPとのリプレースが進みつつある。ベースとなる環境が拡がれば、より快適に使いたいと願うユーザが増えるのも当然で、2011年もWindows 7の便利テクニックは人気を博しそうだ。ビジネスユーザに受けるネタを集めて、当チャンネルでもお届けしていきたい。
4位に登場した"WePad"、ご記憶の方はどのくらいいるだろうか。1月、AppleからiPadがリリースされたが、あまりの人気のため、世界中でしばらく品薄状態が続き、ユーザは"飢餓状態"に置かれた。WePadが発表されたのは4月、欲しくても購入できないiPadに名前もルックスもそっくりなWePad、世界中のガジェット好きが注目したのも無理はない。その勢いのまま、すぐにリリースできていたのなら、このドイツの企業は現在のタブレット競争のなかでも頭ひとつ抜けることができただろう。度重なる仕様変更と発売延期、おまけに名称も"WeTab"に変わり、人びとの関心はすっかり冷めてしまった。そしてその間、iPadはふつうに手に入れられるようになった。製品リリースのタイミングはやはり重要である。
5位には、Acrobatを使わずにPDFを編集するtipsを紹介する記事が入った。今回のランキングで唯一ベストテン入りした2009年のコンテンツである。こちらも掲載以来、毎日一定数以上のPVを稼いでいる。PDFがここまで普及すると、閲覧だけでなく、追加/修正といったちょっとした変更を加えたくなるのが人情というもの。ちょっとだけなので、できれば専用ソフトのAcrobatは購入せずに済ませたい、というのが多くのユーザの本音なのだろう。Adobe Systemsにとっては悩ましい話ではあるだろうが……。
IT業界にかかわっている人ならば、日本オラクルの"社員犬"について知っている向きも多いだろう。7月、先代のウェンディ・ウェンディが亡くなり、その後を継ぐ犬としてキャンディ・キャンディ、通称"キャンディ"が10月に登場、あまりの可愛らしさにIT関係者ならずともノックアウトされたようだ。経営チャンネルでもエンタープライズチャンネルでもオラクル記事はわりとたくさん掲載しているのだが、ITソリューション系コンテンツをさておいて、キャンディ入社式を伝える記事が圧倒的なPVを稼ぎだし、年間6位まで数を伸ばした。
経営チャンネルでは、ビジネスパーソンのスキルアップに役立つコンテンツを今年も数多くお届けしてきたが、その中でも最も人気を集めた記事が7位の時間を無駄にしない10のコツだ。時間管理の方法は人それぞれだろうが、やはりビジネスで成功している人は人一倍、時間の使いかたに気を配っているようだ。こういう記事が人気をあつめるのも、成功者の秘訣を参考にしたいと思う人が多いからだろう。2011年は自分なりの時間管理術を身につけて、ぜひともあなたが"成功者"になってほしい。
4月1日に改正された改正労働基準法、有給休暇や残業手当に関する変更が、従業員の生活に直接かかわるものだけに反響が大きく、年間ランクでも8位となった。もっとも9カ月後の現在、この改正によってワークスタイルが大きく変化したという話もあまり聞こえてこない。具体的に"変わった"こと、読者の皆さんの周りでは何かあったでしょうか?
少々意外?なコンテンツが9位にランクイン。Ringo TodoとはTodo管理のiPhoneアプリ。無償版と有償版が用意されている。Todo管理、先に紹介した時間管理とあわせてこなせば、仕事の生産性はずいぶん上がりそうだ。このRingo Todo、先日新バージョンの1.3が出たばかり。複数デバイス間の同期が取れるようになり、いちだんと便利になった。まずは無償版で試してみてはいかがだろうか。
10位に入ったのは、これもビジネスパーソンに最近注目されているオンラインストレージにかかわるニュース。さまざまなサプライヤが提供しているが、とくにテクノロジに敏感な層から支持されているのがDropboxとSugarSyncだ。この記事で取り上げたSugarSyncは無料サービスで使える容量が大きいこと、加えて複数間デバイスにおける同期のしやすさが最大のポイントだ。無料サービスでその便利さにはまってしまい、有料に移行したというユーザも多い。2010年は日本語サービス開始の年だったが、2011年はさらにユーザ層拡大を狙うSugarSync、今後も随時動きをお伝えしていきたいと思う。
2010年もあますところあと数日。1年が経つのはあっという間だが、こうして振り返ると今年もさまざまな出来事があったことを実感する。読者の皆さんが今年いちばん印象に残ったのはどの記事だったろうか。
掲載直後に瞬速でPVを稼ぐ記事、長い期間にわたって読まれる記事など、傾向はさまざまだが、やはり年間ランキングに登場するようなコンテンツは、毎日一定数以上のアクセスを得ているものが多い。2011年もニュースとともに、このような息の長い記事を数多くお届けできればと思っている。
というわけで今年も1年、経営チャンネルの記事をご愛読いただき、本当にありがとうございました。読者の皆様、どうか良いお年を!