ウシオ電機は12月27日、同社100%子会社のウシオアメリカが米国半導体レーザメーカー「Necsel Intellectual Property」の全株式を取得し、完全子会社化したことを発表した。

ウシオアメリカは、5年以内に100%子会社化することを前提に、2009年5月、Necselの発行済株式の49%を取得していた。今回の完全子会社化は、固体光源事業の加速化を推進するため、当初の計画を早めて実施されたもの。

Necselは半導体レーザの研究開発企業Novaluxが保有していた技術や特許などを継承し、それらを用いて赤外波長域および可視波長域の大出力レーザを開発、事業化するため、2008年11月に設立された企業。同社保有の特許を用いることで、シンプルな構造でながら高い波長変換効率と信頼性を有する、小型高出力レーザが実現可能で、かつウェハプロセスでの製造が可能であることから、自動化などによる低コスト化が期待できると同社では説明している。

Necselの半導体レーザの完成品(28mm×35mm×20mm以下)

組込後/発光時(出力:3W以上、波長532nm)

なお、ウシオグループではNecselを通じて、半導体レーザをデジタルシネマ、データプロジェクタ、特殊照明などの光源として活用し、早期に事業化するため、今後の研究開発を進めていくとしている。