日本SGIは12月27日、演算処理装置としてCPUおよびGPUを併用するハイブリッド型ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)サーバの新ブランド「SGIPrismシリーズ」を発表し、第1弾製品「SGI Prism XL」を即日販売開始した。

今回SGIでは、サーバの形状をスティック型にしてブレード型以上の高密度化を可能にする「SGI STIXアーキテクチャ」を開発、「SGI Prism XL」に実装しており、GPUの活用による演算速度の向上と省電力化の両立、そして高密度化によるコスト削減を同時に実現している。

同アーキテクチャは限られた設置スペースで高性能なGPUコンピューティングを実現するために同社が独自に開発したもので、SGI Prism XLでは高さ8.48cm×幅14.68cm×奥行94.3cmのスティック型筐体にすべてのハードウェアコンポーネントを搭載している。スティックあたり、AMD Opteronプロセッサを最大2ソケット、GPUを最大4枚、メモリを最大128GB(8DIMM×16GB)、内蔵ディスクを最大4TB搭載可能で、入出力インタフェースとしてPCI Express Gen2(×16)が4スロット標準装備されている。

高さ2Uの専用エンクロージャに3本のスティックを搭載でき、標準的な19インチキャビネットに最大63本のPrism XLを搭載することが可能だ。OSは、Red Hat Enterprise LinuxおよびCentOSが選択可能となっている。

「SGI STIXアーキテクチャ」を用いたスティック型のサーバ

2Uの専用エンクロージャに3本のスティックを搭載した状態

SGI Prism XLは、CPUとGPUを1対1で接続する設計となっており、1つのCPUあたりに複数のGPUが接続される一般的なGPUコンピューティングシステムと比較して、CPUとGPUの間で入出力の競合が発生しないため、GPUの性能を最大限に引き出すことが可能だと同社では説明している。

GPUにはNVIDIAのTeslaとAMDのFireStream、またアクセラレータとしてTileraのTILEncoreが搭載可能で、カスタマの利用用途やアプリケーションに応じて選択することが可能だ。また、用途に応じてスティックごとに異なる特徴を持ったGPUを搭載できるため、アプリケーションに応じてスティックを機能別に構成することも可能となっている。

GPUとしてAMD FireStream 9350をスティックあたり4枚搭載した場合、標準キャビネットあたりのGPUコア数は36万2880となり、x86プロセッサを搭載した一般的なシステムと比べると、設置スペースあたり最大720倍の実装が可能となる。

19インチキャビネットに最大63本のPrism XLを搭載することが可能

なお、2Uラックにスティック3本を搭載、1スティックあたりAMD Opteronプロセッサ4100番台2枚ソケット、250GB SATAハードディスク2台、8GBメモリ、AMD Firestream9370 2枚という構成でOSは非搭載の場合の参考価格は576万1000円(税抜き)となっており、2011年1月下旬より出荷が開始される予定となっている。