東京商工リサーチは12月24日、2010年11月26日時点の同社の企業情報から設立年を確認できた法人131万3,608社を対象に、卯年設立の企業を抽出・分析した結果を発表した。
卯年は、昭和金融恐慌発生(1927年)、国鉄分割・民営化でJRグループが設立(1987年)、日本銀行がゼロ金利政策を実施(1999年)など、政治・経済において歴史的な転換の年と言える。同社の調べによると、卯年に設立された法人数は全国で8万8,604社に上った。
最も設立が古かったのは1903年6月設立の嬉野温泉観光(佐賀県)と品川リフラクトリーズ(東京都)の2社。設立年別では1987年が2万6,190社(構成比29.5%)で最多だった。都道府県別では東京都の1万4,773社(同16.6%)が、産業別では建設業の2万3,244社(同26.2%)が最多だった。
著名な卯年設立の企業には、電力会社のほか、資生堂、マンダム(1927年設立)、ファーストリテイリング、アスクル(1963年設立) 、オリコン、ミクシィ(1999年設立)など、業界の草分け的な企業も多い。
売上高のトップは、国内最大の保険機構である全国共済農業で6兆5,834億円。これに、東京電力(4兆8,044億円)、関西電力(2兆3,474億円)と続き、上位10社のうち5社を電力会社が占めた。
「戦後の経済復興のため電力事業の民主化と再編成が緊急の課題となり、1951年に電気事業再編で設立された電力会社が存在感を示している」と、同社では分析している。
1987年に国鉄の分割・民営化で設立された東日本旅客鉄道は7位に、1999年に日本電信電話の再編で設立された東日本電信電話、西日本電信電話はそれぞれ6位と8位にランクインした。