ソニーは12月24日、同社および東芝、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)の合弁会社で半導体製造を手がける長崎セミコンダクターマニュファクチャリング(NSM)が操業する東芝所有の半導体製造設備を東芝よりソニーに譲渡する基本合意書を締結したことを発表した。
NSMは、元々ソニーセミコンダクタ(SCK)長崎テクノロジーセンター(長崎TEC)の300mmウェハ対応工場として、65nmプロセスを用いて「Cell Broadband Engine(Cell B.E.)」や画像処理用LSI「RSX」などの生産を行っていたが、2008年3月に東芝に売却されていたもの。
NSMとなった後もCell B.E.やRSXなどの製造が継続されて行われてきたほか、東芝およびソニー向けのデジタルコンシューマ機器向けSoCの生産なども行っていた。
今回譲渡が予定されている製造設備は、2008年の東芝による買収時にソニーおよびSCKから東芝が購入しNSMに貸与していた長崎テクノロジーセンター内の300mmウェハラインの設備に加え、東芝の購入後に設備投資を行ったもののうち、東芝とソニーで別途譲渡につき合意するその他の設備となっている。
なお今後、東芝とソニーは半導体製造設備の譲渡に関して、譲渡対象設備の精査の手続きなどを経て、2010年度内早期に法的拘束力を有する正式契約を締結し、その後、関係当局の必要な承認および認可を条件として2011年度初頭の譲渡実施を目指す予定としている。