東芝は12月24日、システムLSI事業の収益力強化のため、注力領域分野への集中的な資源投入、ファブレス化/ファブライト化を含む抜本的な事業モデルの見直しなどの事業構造改革を加速させるため、2011年1月1日付でシステムLSI事業部を2つの事業部に再編することを発表した。
今回の組織再編は、意思決定のスピードアップと経営リソースの効率的活用を目的としたもので、同事業部を、先端SoCを中心とする「ロジックLSI事業部」と、汎用性の高い製品群の「アナログ・イメージングIC事業部」へと組織分割する。
ロジックLSI事業部は、カスタム性の強い製品の需要の変動に対して自社の製造ラインとアウトソーシングを組み合わせ、柔軟な製造体制を構築するとしており、2011年度から40nmプロセス製品を含む先端製品については、複数の外部ファウンドリへの生産委託を拡大し、自社の300mmウェハ生産拠点を大分工場へ集約することで経営効率を高めるとしているほか、設計開発部門に対し集中的にリソースを投入していく方針を示す。
一方のアナログ・イメージングIC事業部は、アナログIC、CMOSイメージセンサを含むイメージングICに注力する。生産については、大分工場や岩手東芝エレクトロニクスなどの、300mmウェハラインも含めた既存の生産ラインを活用する計画で、汎用性の高い製品に注力することで、生産ラインの効率を高め、事業の拡大と収益性の向上を両立する計画としている。
また、同日、同社とソニー、ソニー・コンピュータエンタテインメントの合弁会社である長崎セミコンダクターマニュファクチャリングの合弁関係を解消、製造設備をソニーに譲渡することでも基本合意をしており、これらの施策はシステムLSI事業部の構造改革を加速するものであり、アセットライト化を図るとともに、大分工場に経営資源を集中し、生産性とコスト競争力を高めていく方針であるとしており、こすいた事業構造改革を通して、システムLSI事業分野のそれぞれの事業領域の特性に応じた事業運営を行い、経営効率化を図り、収益性の改善と事業体質の強化を図りたいとしている。