今年もハイレベルな戦いが展開!
2010年12月1日(水)、パシフィコ横浜で開催された「組込み総合技術展 Embedded Technology 2010」 の一環として、組み込みソフトウェア技術教育をテーマとしたETソフトウェアデザインロボットコンテスト「ETロボコン2010 チャンピオンシップ大会」の競技会が開催された。
大会には、今年9月から10月にかけて開催された全国10地区(北海道、東北、北関東、東京、南関東、東海、北陸、関西、九州、沖縄)の地区大会を勝ち抜いた40チームが出場。各チームの応援団も大勢駆けつけ、会場は今年も熱気に包まれていた。
昨年に続き今大会は、東京工科大学公式インターネット放送局 intebro がUSTREAMを利用した生中継を行なっており、その際の映像記録は現在も観ることができる。
またTwitterでも本部実行委員会の公式アカウント「@etrobo」が開設され、ハッシュタグ「#etrobo」のタイムラインは会場にも流されていた。
会場風景。コース周りの座席は満席で立ち見の観客も大勢いた (写真提供:ETロボコン2010事務局) |
全チーム共通仕様の「レゴマインドストーム NXT」走行体で競う。ただしドレスアップはOK (写真提供:ETロボコン2010事務局) |
マイコミジャーナルではこれまで度々ETロボコンについて取り上げ、昨年のチャンピオンシップ大会のレポートもお届けしたが、近々では今年9月に開催された東京地区大会A・Bブロックのレポートも掲載している。概要および今年から変更になったルールなどについてはそちらに詳しく書かれているのでご参照いただくとして、今回は競技大会の結果を中心にお届けしたい。
競技は全40チームが2チーム一組で出走し、INコースとOUTコースを交代して20ターン×2ラウンドを実施。2ラウンドの合計タイムを競う。
コースの基本的なライン取りは昨年までと同様だが、今年はNXT走行体の仕様変更とともに、OUTコースにはエンコーダを狂わせるべく立体的な難所「シーソー」と「階段」が登場。INコースにも超音波センサを利用する「ミステリーサークル」が登場し、出走時にランダムに決定されるルートを正しく通過できねば失格となった。
各難所、チェック通過のボーナスタイム一覧。INコースでは最大 -90秒、OUTコースでは最大 -180秒のボーナスが得られる |
INコースの難所、「エニグマ・デコーディング」の衝立(ペットボトル)と「ミステリーサークル」 |
ミステリーサークルの走行パターン。出走前のくじ引きによりエニグマ・デコーディングの衝立の配置パターンと走行すべきルートが変わる |
今年最大の課題「シーソー上停止」は地区大会では停止時間が3秒に設定されていたがどのチームも成功できなかったため、チャンピオンシップ大会では停止時間を1秒に短縮。ボーナスタイムも -60秒から -80秒へとアップされたが、果たして成功するチームは現れるのか?と注目が集まっていた。
結果、前半のラウンド1では残念ながら成功するチームはなかったが、後半のラウンド2では2チームが見事クリア。会場からは大きな歓声と拍手が上がっていた。
その他、ETロボコン関西地区事務局長・松尾圭浩氏のまとめによれば、INコースのミステリーサークル通過は40チーム中20チームで通過率50%。OUTコースのシーソーは27チーム通過で67.5%、階段は19チーム通過で47.5%。完走率はINコース、OUTコースともに52.5%という結果となった。
松尾氏も指摘しているが意外と低かったのがガレージ・インの成功率で、INコースでは21チームが挑戦し10チーム成功(47.6%)、OUTコースでは16チームが挑戦し6チーム成功(37.5%)。ガレージ内に停止はしたものの、微妙にブロック壁に接触してしまいクリアならず、というケースが確かに多く見られた。