STMicroelectronicsは、各種装置の「応答」を可能にする無線タグ(RFID)回路と64kビットの不揮発性EEPROMを組み合わせたRFIDメモリ「LRiS64K」を発表した。

RFIDと64kビット不揮発性EEPROMを組み合わせたRFIDメモリ「LRiS64K」のイメージ

同製品は、メーカーの詳細な初期データや修理・アップグレードの記録といった大量のデータの格納を可能とするもので、業界標準のワイヤレス機能、大容量のデータ・ストレージ、安全なデータ保持および長期にわたる信頼性を兼ね備えた独自の製品。

標準的なRFIDリーダを使用し、同製品上に保持されている64ビットの固有IDにアクセスできるほか、内蔵メモリにより、紙上での記録収集やオンライン・データベースへのアクセスが不要になる。製品ごとのサービス履歴は、以降の点検やサービス実施時のアクセスに向けて、メモリ内で更新される機能により、医療、航空、物流、石油化学、建築、製造などの分野で不稼働時間の短縮が可能になり、保守・修理・運用コストの低減が可能となると同社では説明している。

また、RFID製品の国際規格ISO 15693/ISO 18000-3 mode 1に準拠した近傍型デバイス(13.56MHz)で、通信範囲内における他製品との共存が可能なほか、同調コンデンサを内蔵しているため、外部アンテナとの接続が容易に行うことが可能だ。

メモリのデータ保持期間は40年以上、書き込み/消去サイクルは100万回以上で、伝送速度は53kbps(Fast commands)、メモリ書き込み時間5.75ms(typ)となっている。

なお、同製品はすでに量産出荷を開始しており、DCA(Direct Chip Attachment)に対応可能なバンプ付きウェハ(ダイシング済)で提供される。