ノークリサーチは、年商5億円以上、500億円未満の国内中堅・中小企業におけるIT投資市場規模と実態に関する調査を行い、結果を発表した。それによれば、2011年はクライアントPC刷新の後に続く形の運用管理/資産管理への取り組みに期待できるとしている。
同社では、2011年はまだ本格的な回復が見込めず、2010年に引き続いての更新需要主体の状況が続くと予想。そして、2012年に入ると、SaaS/クラウド活用におけるノウハウが蓄積されることによって同市場の活性化が進むとともに、中堅上位企業でのIFRSへの取り組みなども始まってくるため、2011年比の成長率は2.2%とようやく改善の兆しを見せ始めるとしている。
新規に投資を行う予定のソリューション項目では、「クライアントPC管理」「バックアップ管理」「セキュリティ管理」といった運用管理系ソリューションがユーザ企業における予算確保のし易さという観点では手堅いソリューションになるとし、年商300億円~500億円の中堅上位企業においては、IFRSへの取り組みによる「会計」が比較多いと分析している。ただ、IFRSに関連したシステム面での投資が本格化するのは2012年以降になるとし、2011年時点では「会計」分野での大幅な投資増加を期待するのは避けた方が無難だと指摘する。
そのほか、グループウェアも情報系ソリューションの中では比較的投資意欲が高いが、同時に「2010中に投資を減らす項目」でも上位に挙げられ、メールやグループウェアといった情報系ソリューションは「既に投資を行っており、現状維持で十分である」と考えるユーザ企業が多く、情報系ソリューションの市場活性化のためには新たな価値提供が求められる段階となっていると分析している。