国立天文台は12月21日の夕方より起きる皆既月食を観察して、その観測地や観測時間などを報告してもらう「皆既月食を観察しよう」キャンペーンを行っている。
月食は、太陽-地球-月が一直線に並んで、月が地球の影に入ることで暗くなり、月が欠けてしまったかのように見える現象。月の一部分だけが本影の中に入ることを部分月食(部分食)と月が地球の本影にまるごと入る「皆既月食(皆既食)」がある。
日本での皆既月食は2007年8月28日以来、およそ3年ぶり。月食(本影食、部分月食)は、15時32分より始まりまっているが、北海道東部の一部を除く日本の大部分の地域では月が地平線の下にあるため、観察をすることはできない。
したがって月は、月食が始まった状態(月が欠けた状態)で地平線から昇ってくる「月出帯食」の状態となっており、東京では16時23分ころに月の出となり、その時点で約8割近く欠けた状態で昇ってくることとなる。東京以外の主な地点での月の出の時刻は、以下のとおり。
- 札幌:15時51.4分
- 仙台:16時08.8分
- 京都:16時39.2分
- 福岡:17時08.0分
- 那覇:17時36.2分
食の最大(月が、本影に最も深く入り込む状態)は、17時17分だが、この時点でも、南西諸島の多くの地域などでは、まだ月が地平線の下にあるので地域によっては注意が必要だ。
また、再び本影の縁に月が差しかかり、皆既月食が終わるのは17時54分となるが、南西諸島西部の一部では、この時点でまだ月が地平線の下にある(この地域では、残念ながら皆既月食が終わった後に月の出となり、皆既月食が見られないという)。そして、19時2分、月が本影から完全に離れ、月食(本影食、部分月食)は終了となる。 なお、ウェザーニュースの天気予報では、北日本では雲が少なく、寒さも厳しくはないため、観測を楽しめそうとするほか、北陸や九州南部でも雲の隙間から皆既月食を楽しめるチャンスがあるとするが、東・西日本の太平洋側では低気圧や前線の影響で雲が多く、観測は難しそうだとしている。