トレンドマイクロは12月21日、2010年度の「インターネット脅威レポート(日本国内)」を発表した。2010年1月1日から12月15日の国内被害報告数を集計したもので、昨年に比べて"ガンブラー"系の不正プログラムが躍進している。
トレンドマイクロによると、2010年における不正プログラム感染被害の総報告数は1万6536件。2009年同時期の4万4587件の4割弱に留まっている。被害報告が多かった上位10件は以下のとおり。
順位 | 検出名 | 通称 | 種別 | 件数 | 前年順位 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | WORM_DOWNAD | ダウンアド | ワーム | 479件 | 2位 |
2位 | MAL_OTORUN | オートラン | その他 | 414件 | 1位 |
3位 | TROJ_FAKEAV | フェイクエイブイ | トロイの木馬 | 178件 | 10位 |
4位 | TROJ_DLOAD | ディロード | トロイの木馬 | 145件 | 圏外 |
5位 | BKDR_AGENT | エージェント | バックドア | 138件 | 3位 |
6位 | JS_ONLOAD | オンロード | Java Script | 133件 | 圏外 |
7位 | MAL_HIFRM | ハイフレーム | その他 | 126件 | 9位 |
8位 | WORM_AUTORUN | オートラン | ワーム | 115件 | 圏外 |
9位 | JS_IFRAME | アイフレーム | Java Script | 105件 | 6位 |
10位 | JS_GUMBLAR | ガンブラー | Java Script | 99件 | 圏外 |
1位の「WORM_DOWNAD」が約3割、2位の「MAL_OTORUN」が1割強まで減少した一方で、「JS_ONLOAD」、「MAL_HIFRM」、「JS_IFRAME」、「JS_GUMBLAR」といったWebサイトの改ざんに関係する不正プログラムが多数ランクイン。攻撃の傾向が大きく変わってきている。
また、トレンドマイクロでは、2010年の大きな特徴として、金銭目的の攻撃がこれまで以上に増えたことが挙げられると説明。3位の偽セキュリティソフト「TROJ_FAKEAV」以外にも、フィッシング詐欺やワンクリック詐欺の被害が継続的にあったという。