IDC Japanは12月21日、クラウドサービス市場における国内通信事業者の市場機会や課題に関する分析結果を発表した。

国内通信事業者が提供するクラウドサービスの特徴としては、インフラストラクチャ領域(IaaS:Infrastructure as a Service)へ注力している事業者が多いことが挙げられている。クラウドアプリケーション領域(SaaS:Software as a Service)は、コラボレーティブアプリケーションを除けば、パートナーのアプリケーションのラインナップが強化されているという。

国内通信事業者のクラウドサービス市場における課題はIaaSとSaaSのそれぞれにある。

IaaSについては、参入事業者の急増によって急激に価格が下落しており、激しい価格競争に耐え抜くコスト競争力を求められていることが挙げられている。単純な価格競争を回避するために、信頼性や付加価値の高いサービスの訴求によって明確な差別化を実現できなければ、生き残りが難しい市場になると同社では見ている。

SaaSについては、Webなどオンライン経由のインバウンドユーザーから見た場合、自社のビジネスへの適合性を判断する材料が十分ではないと指摘されている。