アルバックの100%子会社である日本リライアンスは12月17日、既存のACベクトルインバータ内に制御ループを内蔵した制御システム向けモータドライブユニット「Drive MuLti」を開発、販売を開始したことを発表した。

200V系の最大適用モータ容量7.5kW品「UDM2035」の外観

同ユニットは、ベクトル制御インバータのパフォーマンスと同社のラインドライブアプリケーション技術を融合し、コータラインやラミネートライン、各種印刷機、ウェブ搬送ラインなどコンバーティング向け制御機能を1つのインバータ装置に組み込んだオール・イン・ワンタイプのインバータ装置で、従来別々に制御が必要であったACベクトルモータと同期型(サーボ)モータの制御を行うことが可能となったほか、鉄鋼業界のプロセスラインでのライン全体の安定性確保なども可能となっている。 パルス制御の電流値において従来品比2倍となる1:2000のパフォーマンスを実現しているほか、ランドライブアプリケーションとなるダンサー制御、張力制御、電流制御、ヘルパー制御などの制御ループを内蔵。

多くの機能を搭載しながら、機能を絞り込んだHMI(Human Machine Interface)をフェースプレートに搭載することで操作系の簡素化を実現しているほか、制御に必要なモータパラメータのチューニング機能やドライブターミナル通信用のUSBポートに加え、これまでオプションであったAMXネットワーク(GV-NET)を標準で装備。

こうしたネットワーク対応により、各種フィールドネットワークへの対応が可能となり、シーケンス的なコントローラのみを上流につけることで、ラインコントロールが可能となる。

また、ブックシェルフ設計により、制御盤の小型化を実現。従来品比でサイズは40%の小型化に成功しているほか、ゼロスタッキング構造(密着取り付け)も可能としている。

電流ループは125μs周期、速度ループは500μs周期の実行で、基本機能となる速度ループのほかに、ラインドライブアプリケーション用の速度・トルク調整ループを内蔵している。

製品ラインナップは、200V系と400V系の2ラインを用意。200V系はモータ容量で1.5/3.7/7.5/11kWの4機種を、400V系ではモータ容量で1.5/3.7/7.5/15kWの4機種、合計8機種を用意。2011年4月にはさらに200V系で15/30/55kWの3機種を、400V系で30/55/110kWの3機種を追加することが予定されており、200V系、400V系あわせて、年間2000台の販売を見込むとしている。