今年もあと残すところ2週間。各社の発表会ラッシュも一段落し、今週末はすこし落ち着いた感じになってきたIT業界。そろそろこの1年を振り返るor来年を展望する的な記事が増えてきた。ランキングにもそれが反映されて、調査結果や予測を伝えるコンテンツが上位を占める結果となっている。

PVのほうも比較的高い数字で好調に推移した12月10日(金)から12月16日(木)だったが、それではこの期間の経営チャンネルアクセスランクのトップ10を紹介しよう。

1位 イオン、駐車待ちイライラを軽減する「次世代型 おもてなし駐車場」を導入 12月10日
2位 クラウド普及でベンダーに試練 - IDC Japanが2011年の国内IT主要10項目発表 12月10日
3位 オンラインの友人の10%は人以外に-GartnerがIT部門に影響を与える展望発表 12月13日
4位 2010年3Q国内携帯電話市場、アップルが初のトップ5入り - IDC調査 12月13日
5位 富士通、サントリーにプライベートクラウドを大規模導入 12月16日
6位 Amazon EC2のようなプライベートクラウドを実現するクラウドOSが登場 12月16日
7位 Windows 7を高速化するテクニック6 1月6日
8位 ApacheがJCP辞任、Oracleは再考を求める 12月10日
9位 【レビュー】Chrome 9のクラウド印刷機能は印刷の概念を変える出来 12月9日
10位 グルーポンとKDDIが業務提携 - 連携サービス「au one クーポン」開始 12月14日

2位以下にダブルスコア近い差を付けて首位に立ったのは、イオンの新たな駐車場サービスを伝えるニュース。クルマでショッピングセンターへ買い物に行くことが多い層には便利なサービスなのだろう(ショッピングセンターにめったに行かないのでイメージできない……)。サービスの名前は「次世代型 おもてなし駐車場」で、まずは津田沼から展開するとのこと。最近、"おもてなし"という言葉がサービス紹介で使われることが多くなったような気がする。

2010年は最初から最後まで"クラウド一色"だったIT業界、当ランキングにも毎週のように各社のクラウドソリューションを伝える記事がベストテン入りしていたが、今週は2位、5位、6位、9位と4本がランク入り。2位のIDC Japanによる分析では、2011年にはクラウドベンダの淘汰が始まるとのことで、クラウドで競争力をもてないIT企業は市場からフェードアウトするとか、しないとか……。ソフトもハードも、ただの箱売りでは生き残っていくのはむずかしい時代になった。

「オンラインの友人は人以外」って何? と思ったら要はbotのことらしい。3位にランクインした米Gartnerの予想によれば、2015年までにユーザごとにパーソナライズしたソフトウェアエージェントが、ユーザの代わりにコミュニケーションを図っていくことになるんだとか。ここまで来ると、リアルとバーチャルの融合は進むのか、それともどんどん別なものになるのか、わからなくなってきそうだ。

8位にはやや残念なニュースが入ってきた。長いことJCPの委員を務めてきたApache Software Foundataitonが委員を辞任するという。OracleはASFに再考を求めているものの、「考え方の違いは決定的」としてASFが委員に復帰する見込みはないとのこと。これからのJava SE/EEの開発に不安を覚えている人びとは多い。Oracleはこの不安を払拭する義務があり、おそらく何らかの策を検討しているはずだが、現状ではあまり伝わってこない。2011年には状況が好転することを望みたい。

今週のフォトグラフ

ランキングには入らなかったが、産能大が発表した「社長が選ぶ、今年の社長」ではソフトバンクの孫正義氏が1位になっていた。ベストテンの顔ぶれを見ると、日本企業の社長に混じってスティーブ・ジョブズ氏の名前が。やはりiPhone/iPadでモバイル市場を大きく変えた、リーダーとしての力強さに、日本の社長さんたちもあらためて尊敬の念をもったということなのだろう。

今回紹介する一枚は、かの「TIME」誌が選んだ"今年の顔"のマーク・ザッカバーグ(Mark Zuckerberg)氏。ご存じFacebookのCEOである。ジョブズ氏がスマホ&タブレットの勢力図を塗り替えたように、ザッカバーグ氏はSNSのあり方を大きく変えた人物だ。日本でも確実にユーザ数を伸ばしつつあり、2011年はさらに躍進するのでは、と見られている。若くて、技術と事業センスとポリシーをもった力強いリーダー、今年の顔にたしかにふさわしい。

この写真は2年前、24歳で来日したときのもの。1月に日本でも公開される映画「ソーシャル・ネットワーク」も楽しみですね!