ルネサス エレクトロニクスは12月16日、低雑音性能を実現した20GHz帯衛星放送受信用GaAsヘテロ接合型FET「NE3520S03」を開発、即日サンプル出荷を開始したことを発表した。2011年3月から月産100万個の量産を開始し、既存の20GHz帯用低雑音ヘテロ接合型FETとあわせて合計4品種を月産700万個まで拡大する計画。

ルネサス エレクトロニクスの20GHz帯衛星放送受信用超低雑音ヘテロ接合型FET「NE3520S03」

同製品は、高濃度薄層化技術を駆使してエピタキシャル構造を最適化、電子の高速化および雑音発生源の1つであるソース抵抗を低減。20GHz帯の量産品としては最高クラスとなる雑音指数(Noise Figure:NF)0.65dB(従来品比0.05dB向上)、付随利得13.5dBを実現した。

また、3次元電磁界解析手法を用いて構造を最適化、GHzクラスの高周波数領域において半導体チップの性能を引き出したほか、従来品「NE3517S03」との置き換えが容易な中空構造プラスチックパッケージを採用した。

これらの技術を用いた同製品を採用することで、衛星放送用アンテナメーカーは、HD(High Definition)TV放送などの受信感度向上を実現できるようになることから、同社では、今後も市場ニーズに応えることが可能な製品の開発を進めていき、拡販を行っていくとしている。